マイクロホンを識る
電源アダプター
内部構造編で解説したように、コンデンサー型マイクロホンにはすべて電源が必要です。その供給法には専用電源器、ファントム・サプライ、電池、プラグインパワーの4種類があります。真空管型マイクロホンには安定した高い電圧が必要で、専用の電源器から供給しなければなりません。一方、FET(電界効果トランジスター)を使うマイクロホンは、信号用に使っている「XLR」型プラグとバランス・シールド・ケーブルを使って、ミキサーやマイクアンプから電源を送ることができます。この業務用マイクロホン電源の規格はファントム供給方式と呼ばれます。ミキサーやマイクアンプに電源供給機能のない場合は、単体のファントム電源器を使えばOK。初期の一般製品用エレクトレット方式は、マイクボディに電池を内蔵して電源を供給していましたが、最近では「プラグインパワー」方式によって電源供給を行なうものが増えています。これは、録音用マイクロホンのプラス信号線に数ボルトの電圧を録音機側から供給するもの。モノラル、ステレオを問わず使用可能で、電池交換のわずらわしさから解放されるメリットがあります。会議などに用いられる「ラベリア型」に代表される小さなコンデンサー型マイクロホンが、の方式を多く採用していますが本体側(録音機に限らずPCなども含まれる)がプラグインパワー対応でないと機能しません。逆に、電池内蔵式をプラグインパワー方式の録音機に使うとマイクロホンが壊れる事もある。充分な確認をしておこう。
電源の種別 | 独立電源 | ファントム | 内部電源 | プラグインパワー |
供給元 | 専用電源器 | 電源器/ミキサー/ ヘッドアンプ |
本体内の乾電池/水銀電池 | 録音機/ミキサー/ ビデオカメラ |
電圧 | 50~200V | 12,24,48V | 1.5~9V | 数V |
プラグ形状 | 特に制約なし | キャノンXLR型 | 特に制約なし | ミニ(モノ/ステレオ) |
用途 | 真空管DCバイアス式 | DCバイアス式 | エレクトレット式 | エレクトレット式 |