マイクロホンを識る

プラグ/ケーブル(バランス/アンバランス)

プラグ/ケーブル
プラグはマイクロホンとケーブルの接続部分です。例えば「ハンドヘルド型」の場合、マイクロホン本体だけを持って動くとこのプラグ部分でケーブル全体を引っ張るため、相当に大きな力がかかります。そのため、しっかりつなげて外れにくいものでなくてはなりません。
名称 プラグ 芯線数 逆相化 ノイズ ケーブル 用途 コスト
バランス型(平衡型) キャノンXLR
バランス型
2 拾い難い 長くできる 業務用
アンバランス型(不平衡型) 標準プラグ/ミニ
アンバランス型
1 不可 拾いやすい 長くできない 一般製品用
業務用に使われているのは「XLR」という型で、マイクロホン本体とはワンタッチかつ確実にフックで留められ、必要ならネジで固定することもできます。ケーブルは外側の絶縁部分でしっかり押さえられているので、少々引っ張られても問題ありません。映画「ウッドストック」のザ・フーの破壊的なステージで、ロジャー・ダルトリーがカウボーイの投げ縄のようにケーブルを持ってマイクロホンを振り回すのも、プラグが「XLR」型だからできるのです。マイクロホン本体から出ているオスをケーブルのメスで受け、そのケーブルの反対側のオスをアンプ入力のメスに差し込めば、接続が完了します。「XLR」型はマイクロホン周辺に限らず、業務用音響機器全般で使われている信頼性の高いコネクターで、最近はその確実性を買われカラオケ用マイクロホンなどの一般製品用にも普及しつつあります。ただ、アンプの入力端子へ差すほうは標準プラグ(フォンプラグ)が多く、引っ張り過ぎるとすっぽ抜けることがあるので注意が必要。ケーブルは、電気信号をアンプや録音機に伝送する大切な連絡線です。
業務用機器ではバランス型(平衡型)という、雑音対策を施した2芯(ホット、コールド)シールド・ケーブルを使います。標準プラグなどの一般製品は、単芯シールド・ケーブルで構造的に雑音対策が施されてないため、長く引き回すと周辺の機器から雑音の影響を受けることがあります。小型録音機用のステレオマイクは、外観上一本で左右の信号を送れるステレオケーブルとφ3.5mm3極式のステレオミニプラグ仕様が一般的。単体で売られるプラグ/ケーブルにはたくさんの種類があり、材質や構造の違いで強さや音質も大きく左右されます。取り扱いには十分に注意して、性能を充分に発揮させることが肝心です。マイクロホンの故障の原因で、接続部分の割合はとても多くあります。