マイクロホンを識る
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マイクロホンの内部構造

「音」は、わたしたちの周りの前後左右、そして上下とあらゆる方向に存在します。それを捉える「鼓膜」は、頭の側面に付いた「耳」の中に組み込まれており、ここで捉えられた「音」は中耳、内耳などの器官を経て脳に送られます。素晴らしい音楽も不要な雑音も、この同じ道を通って心に届きます。
電気回路を通じた録音や拡声の場合、生の音の入り口、つまり人間の耳に相当するのがマイクロホンになります。つまり、マイクロホンを識ることは、自然音響(生音、アコースティック)の理解につながり、またマイクロホンの使いかたを覚えることで、録音や拡声のテクニックもさらに上達していきます。計り知れない魅力と奥の深さを持つ「音」の世界への第一歩を、まずマイクロホンから始めてみましょう。
マイクロホンの内部構造
ヘッドケース
ポップフィルター
振動板
マイクユニット
コネクター
ケーブル
ボディ
繊細な振動板を守るカバー。ただし、空気振動が伝わりやすくなくてはならないため、金属メッシュ(金網)が用いられることが多い。
ヘッドケースと混同されがちだが、こちらは風圧を防ぐ部分。スポンジ、布、紙、などが用途によって選ばれる。
音声、つまり空気振動を捉える部分。金属膜や、金属を蒸着したプラスチックフィルムでできている。大切な本当の「音の入り口」。
振動板とその動きを電気信号に換える部分から成るマイクの心臓部。
電気信号の出口。接触具合の確実性が問われるだけでなく、信号の質に関わる重要な部分。
電気信号の通り道。接触具合の確実性が問われるだけでなく信号の質に関わる重要な部分。
すべての部分を支える本体。形や材質でも音に影響があり、重量バランスも取り扱いやすさにつながる要素として大事。
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  • ヘッドケース
  • ポップフィルター
  • 振動板
  • マイクユニット
  • コネクター
  • ケーブル
  • ボディ
わたしたちが普段耳にしている「音」は空気の振動です。音楽の世界では「いい感じ」のことを「グッド・ヴァイブレイション(good vibration)」と言うこともありますが、この「ヴァイブレーション」あるいは「ヴァイブ」は、「伝わってくる振動」のことでもあります。マイクロホンは、空気振動を機械的振動に変え、それを電気信号に変換する道具。空気の振動を受け取る部分と電気を起こす部分から成り立っていて、そのやりかたでいくつかの種類に分けられる。大きく分類するとダイナミック型、コンデンサー型、カーボン型、MEMS型などになる。
マイクロホンが使われる場所や状況が多様化し、使い手も時代が変わり、音響技術の専門家だけではなくなりました。まずは、簡単な構造で丈夫、取り扱いも手軽という理由からダイナミック型ムービングコイル方式とコンデンサー型エレクトレット方式が、各方面で使われているのがわかります。
基本性能を含めて、両者とも代表的なマイクロホンですが、その性格には明確な違いがあります。楽器店で「万能型」と勧められたダイナミック・マイクロホンで、宅録から路上演奏までのすべてをこなすのことはできません。つまり、用途に合った選択と使いこなしをすれば、より良い音を出すことができるようになります。
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マイクロホンの指向特性