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ドライバーユニット

ドライバーユニット

ドライバーユニットとは?


ヘッドホンの音を鳴らす機構がドライバーユニットです。マグネット、ダイアフラム、ボイスコイルなどが含まれます。
ドライバーユニットイメージ

ドライバーユニットの駆動方式


ドライバーユニットの駆動(動くしくみ)には以下のような方式があります。

ダイナミック型

ヘッドホンの一般的な駆動方式で、音楽信号を振動板(ダイアフラム)に伝えることで音を作ります。振動板が大きくなれば、音質を向上させることができます。パワフルな低音再生が特長で、音圧もあるため、オーバーヘッド型のほかにインナーイヤー型や耳かけ型、耳栓型(カナル)などで採用されています。
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ボイスコイルを配置した磁気回路を使用して、厚さ4~50μmのド-ム型のダイアフラム(振動板)を振動させて音を出すしくみ。ダイアフラムにはボイスコイルが接着されており、永久磁石が向きあっています。音楽信号をボイスコイルに流すことで発生する磁束と、マグネットでできた磁気回路の磁束の引き付け・反発作用を用いて駆動力を発生させることにより、ダイアフラムを上下に振動させて音を出します。
ダイナミック型

バランスドアーマチュア型

主に耳栓型(カナル型)に使用される方式で、クリアで明瞭な音を再生します。小型化が容易で、医療用途としては補聴器、音楽用途としては演奏時のモニターヘッドホンなどに多くに採用されています。
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アーマチュアと呼ばれるU字型の金属を2セットのコイルとマグネットではさむ構造のユニット。
コイルに音声信号を流すと、その方向によりアーマチュアの極性が変化し、上下マグネットへの引き付け・反発作用でアーマチュアが振動します。その振動がドライバーロッドを通じダイアフラム(振動板)を駆動、空気を振動させて音を出します。
構造上小型化が可能であり、振動板も金属を使用するため耐久性が高く、補聴器やコンサートなどの過酷な環境で使用するプロのアーチストにモニターヘッドホン(イヤーモニター)として使用されています。音質はメリハリのあるクリアな音色。ヴォーカルの明瞭感は高いがダイアフラムが小さいため音圧が低めで、ユニットあたりの再生周波数帯域もせまくなります。ヘッドホンでは広帯域化と音圧確保のため、2Wayや3Wayで構成され高音質チューニングを施したバランスドアーマチュアユニットを開発、使用しています。
バランスドアーマチュア型

ハイブリッド型(ダイナミック型+バランスド・アーマチュア型)

ダイナミック型と、バランスド・アーマチュア型の両方を搭載したハイブリッドのドライバー構造を持つものもあります。 各ドライバーの音の軸がまっすぐに揃えられた理想的な配列で形成され、まるでたった1つのドライバーから鳴っているかのような、滑らかな音のつながりを実現しています。すべての帯域に渡り、高純度でバランスに優れた音を聴くことができます。

コンデンサー(静電)型

薄い振動膜に電気をあらかじめ貯めておき、周辺に音楽信号を流すことで振動膜を振動させて音を出すしくみです。電力供給のため専用アンプが必要となります。
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専用アンプを使用する静電気の原理を応用した方式。
電極板2枚とその間に振動膜が入っている構造。振動膜に電圧をかけ+極性(静電)とし、電極板に音声信号を流します。音声信号は電流の方向により電極板の極性を変化させます。その結果、引き付け・反発作用が発生し、導体が振動して音を出します。 振動膜は非常に薄いため(1~2μm)軽く、音の立ち上がりや応答性に優れ、繊細で歪みの少ない音質が得られますが、大音量は苦手です。また高電圧を使用するため専用アンプが必要となります。
コンデンサー(静電)型

振動板(ダイアフラム)について


ダイナミックドライバーの音が出る最後の部分です。空気を振動させて音を出す板のこと。 サイズは小さいものだとφ数mm〜60mmまであり、高速で動くために非常に薄く軽い素材でできています。
入力された信号に対するレスポンスを向上させ、良い音質を実現するために、振動板を硬度の高い異素材でコーティングするという手法も取られています(DLCコーティング、タングステンコーティングなど)。
振動板(ダイアフラム)について
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