ヘッドホン・イヤホンを識る
5
スペックを読む
型式
「オープンエアーダイナミック型」という表記は、スピーカーボックスの構造が「開放タイプ」、駆動方式が「ダイナミック型」のヘッドホンであることを示しています。
ドライバー
ドライバー径のサイズを示しています。
出力音圧レベル(dB/mW)
1mWの音を入力した時、ヘッドホンから発音する再生音の強さ。単位はdB(デシベル)/mW。数値が大きいほど一定のボリュームで大きな音量を得ることができます。一般的には3dB/mW以上のちがいで聴感上の差を感じると言われています。
もっと詳しく
人が音を聞く場合は、単に振動する力(エネルギー)が2倍になれば2倍大きく聞こえるといったものではありません。そのため音の大きさは、人の感覚量に応じた単位が使用されます。人が音を聞いたときに感じる音の大きさを音圧レベルと呼び、単位はdB(デシベル)が用いられています。これは、人間が聞き取れるもっとも小さな音圧を基準とした場合の音の大きさを示しており、3dB/mW以上の違いで聴感上の差を感じることができると言われています。
一般的にヘッドホンでは1mWの電力を与えたときに、1kHzの音がどのくらいの音圧レベルで得られるかを表し、例えば出力音圧レベルが100dB/mWの場合、1mWの入力で100dBの音圧を発生するという意味になります。
一般的にヘッドホンでは1mWの電力を与えたときに、1kHzの音がどのくらいの音圧レベルで得られるかを表し、例えば出力音圧レベルが100dB/mWの場合、1mWの入力で100dBの音圧を発生するという意味になります。
再生周波数帯域(Hz)
ヘッドホンが再生できる周波数の下限(低音域)から上限(高音域)までを数値で表したものです。一般的に人の可聴領域は、20~20,000Hz(ヘルツ)と言われていますが、実際にはこの可聴領域以上の音も聞き心地に影響します。再生周波数帯域の上限が、40,000Hz以上のヘッドホンのことをハイレゾ(Hi-Res)対応ヘッドホンと呼ばれることがあります。
もっと詳しく
音は空気の振動により伝わります。周波数とは1秒間の振動の数を表しており1秒間に10回振動すれば10Hz、100回なら100Hzとなります。再生周波数帯域とは、ヘッドホンが再生できる周波数の下限(低音域)から上限(高音域)までを数値で表したものです。人が耳で聞こえる範囲のことを、「可聴域」と言い、個人差や年齢差がありますが、一般的に人の可聴域は、20~20,000Hz(ヘルツ)と言われています。
最大入力(mW)
最大入力とは、ヘッドホンに入力できる最大電力をmW単位で表したものです。瞬間的に加えても良い入力の上限を意味しますから、例えば2,500mWという表記があっても常時2,000mWを入力し続けられるという意味ではありません。また数値が大きい方が良いというわけではなく、プレーヤー側の最大出力以上の数値であれば問題ありません。
インピーダンス(Ω)
ヘッドホンの持つ電気抵抗の大きさを表す数値で、おもにボイスコイルの抵抗値(コードの抵抗値も含む)を表します。単位はΩ(オーム)。低い電圧で駆動されているポータブルプレーヤーには、低いインピーダンスのヘッドホンを使用すると電力効率がよくなります。音圧感度、または感度と呼ばれることもあります。
もっと詳しく
ヘッドホンの持つ電気抵抗の大きさを表す数値でΩ(オーム)という単位で表され、
例
ヘッドホンA:インピーダンス30Ω、出力音圧レベル97dB/mW
ヘッドホンB:インピーダンス120Ω、出力音圧レベル103dB/mW
100dBの音量を取る場合Aは+3dB必要、出力音圧レベル3dBは物理的な値では2倍となるので電力が2倍必要になります。
Bは-3dBですので物理的な電力は1/2になります。(dBは対数表記のため)出力音圧レベルは、1mWの時の値なのでAの場合2mW、Bの場合0.5mWが必要になります。実はこの時のボリュームの位置は理論的には同じになります。
電力と抵抗の関係は電力=電圧×電圧÷抵抗なので、
Aは2mW=電圧×電圧÷30Ω
Bは0.5mW=電圧×電圧÷120Ω となり両方とも電圧は同じです。
これは出力音圧レベルに対してAの上げた3dBとBの下げた3dBの差の絶対値6dB:2×2=4倍とインピータンスに対するAの30ΩとBの120Ωの差の絶対値120÷30=4倍が等しいためです。これは単純に考えた理論値で実際はこう簡単にはなりません。しかし、このことはポータブルプレーヤーなどに接続して使用する場合の目安になります。ポータブルプレーヤーのヘッドホン端子の出力インピーダンスは低いものが多いので、低インピーダンスのヘッドホンをつなくと、ヘッドホン自体の能率の割に大きな音が出せます。逆に高インピーダンスのヘッドホンをつないだ場合、同じボリュームでも小さな音量しか出ません。
ヘッドホンは出力インピーダンスとヘッドホンのインピーダンスのバランスが重要でその値が等しいとき、最も効率的にヘッドホンに電力を送ることができます。出力側に対して、あまりに低いインピーダンスのヘッドホンを使用すると、電流の供給が間に合わず、音に雑音や歪みがのったりする場合があります。
- 大きいほど流れる電流量が減るため音量が小さくなる。
- 小さいほど電流量が増えるため、音量が大きくなる。
例
ヘッドホンA:インピーダンス30Ω、出力音圧レベル97dB/mW
ヘッドホンB:インピーダンス120Ω、出力音圧レベル103dB/mW
100dBの音量を取る場合Aは+3dB必要、出力音圧レベル3dBは物理的な値では2倍となるので電力が2倍必要になります。
Bは-3dBですので物理的な電力は1/2になります。(dBは対数表記のため)出力音圧レベルは、1mWの時の値なのでAの場合2mW、Bの場合0.5mWが必要になります。実はこの時のボリュームの位置は理論的には同じになります。
電力と抵抗の関係は電力=電圧×電圧÷抵抗なので、
Aは2mW=電圧×電圧÷30Ω
Bは0.5mW=電圧×電圧÷120Ω となり両方とも電圧は同じです。
これは出力音圧レベルに対してAの上げた3dBとBの下げた3dBの差の絶対値6dB:2×2=4倍とインピータンスに対するAの30ΩとBの120Ωの差の絶対値120÷30=4倍が等しいためです。これは単純に考えた理論値で実際はこう簡単にはなりません。しかし、このことはポータブルプレーヤーなどに接続して使用する場合の目安になります。ポータブルプレーヤーのヘッドホン端子の出力インピーダンスは低いものが多いので、低インピーダンスのヘッドホンをつなくと、ヘッドホン自体の能率の割に大きな音が出せます。逆に高インピーダンスのヘッドホンをつないだ場合、同じボリュームでも小さな音量しか出ません。
ヘッドホンは出力インピーダンスとヘッドホンのインピーダンスのバランスが重要でその値が等しいとき、最も効率的にヘッドホンに電力を送ることができます。出力側に対して、あまりに低いインピーダンスのヘッドホンを使用すると、電流の供給が間に合わず、音に雑音や歪みがのったりする場合があります。
Next
6
音の傾向