部品交換で音を楽しむ

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カートリッジを変えることによって、どう音が変化するのですか？

カートリッジは超小型の発電システムとして作られていて、拾った振動を元に電気信号に変換するためのものです。カートリッジはVM型（MM型）、MC型の2つがあります。

MM型（VM型）

：ムービングマグネット（カンチレバーの根元のマグネットが動作して発電する）

VM740ML

MC型

：ムービングコイル（カンチレバーの根元のコイルが動作して発電する）

AT-ART9XI

	VM（MM）カートリッジ	MCカートリッジ
発電方法	マグネットを動かす	コイルを動かす
出力電圧	約4mV（4～5mV）	約0.4mV （0.1～0.5mV）
特長	迫力のある音が出やすい	繊細で情報量が多い

VM型（MM型）は出力電圧が高く迫力のある音が出やすいという良さがあります。また、フォノ入力のMM端子に直結することができ、MCのフォノ入力を持つ比較的高価なフォノイコライザーや昇圧トランスを必要としません。
MC型は、その構造上すべての工程がハンドメイドで生産され、音質的にも繊細で情報豊かな音がでます。出力電圧が低いので、所定のレベルまで信号を増幅する過程で信号がノイズに埋もれないように配慮が必要となります。そのためフォノイコライザーやアンプ等も性能の優れたものが必要になってきます。

＊カートリッジはすべてのターンテーブルに使えるわけではありません。詳細は、製品ページやカタログをご覧ください。

アナログ製品（カートリッジ：MC型）ラインナップ

メンテナンス以外に、針（交換針）の交換をするのはなぜ？

交換針を変えることにより、ワンランクアップした音を楽しめます。スタイラスチップは種類によって、材質や、形状が変わります。
材質は、無垢針というダイヤモンドのみで作られているものと、接合針というダイヤモンドの先端部を金属製台座で接合した針があります。無垢針はレコード盤の溝の動きをより正確にカンチレバーに伝達することができます。
先端の形状は、丸針、楕円、ラインコンタクト等があります。丸針は先端の形状に方向性がないため多少セッティングの精度が悪くても音質が劣化しづらいという良さがあります。一方で楕円針は丸針と比べてより正確にレコードの溝をトレースできるように先端形状がカットされています。ラインコンタクト針は楕円針をさらに進化させた先端形状で、溝のトレース性能を一層高め、溝へ線接触する特徴から針の摩耗性にも優れています。


	針先の種類
	無垢	接合
丸針	無垢丸針	接合丸針（3mil）接合丸針
楕円針	無垢楕円針	接合楕円針
ラインコンタクト針	無垢特殊ラインコンタクト針

VMカートリッジ AT-VM95 Series VMカートリッジ VM700/600/500 Series アナログ製品（カートリッジ：VM型）ラインナップ

アップグレードとしてはVM型の中で交換針を変えるという方法もありますが、MC型にステップアップするという方法もあります。ただし、VM型（MM型）とは異なり、MC型はカートリッジボディーと交換針が分離できない構造のため、針が摩耗した場合やカンチレバーが損傷してしまった場合などは、本体ごと交換する必要があります。

フォノイコライザー（フォノアンプ）は何のためにあるの？交換すると何が良くなるの？

フォノイコライザーはレコードの制作時に調整された高低の音のバランスを元に戻す働きがあります。レコード盤の制作時にラッカー盤というものに溝を刻みます。この際、低い音の振幅は大きく、高い音の振幅は小さいという性質があるため、そのままレコード盤に信号を刻んでしまうと収録時間が短くなってしまうという欠点があります。
これを避けるために、低い音はレベルを下げて、高い音はレベルを上げて、つまり一種のフィルターを通してラッカー盤に音を刻むのですが、これをそのまま再生すると誤った音のバランスで再生することになります。
そこで再生機器側で逆のフィルターをかけて正しい音のバランスになるようにすることがフォノイコライザーの役割です。フォノイコライザーもその回路構成や使う素子の性能により、音質が変わり、入門的なモデルから高額製品まで幅広い選択肢があります。

アナログ製品（アクセサリー）ラインナップ

昇圧トランスは何のためにあるの？使用すると何が良くなるの？

フォノイコライザーにはVM（MM）カートリッジのみを接続できるMM入力端子のみを持つものや、MCカートリッジも接続できるMC入力端子を持つ機種もあります。MCカートリッジを使用する場合、MCカートリッジの出力をVM（MM）カートリッジ並みの出力電圧に増幅する方法として、別体の昇圧トランスという製品を用いることもあります。この場合、昇圧トランスの出力端子はフォノイコライザーのMM入力端子に接続します。
昇圧トランスもそのコイルの巻き方や構成部品により音質が変わり、高品位な製品を適切なMCカートリッジと組合せることにより、優れた音質を楽しむことができます