レコードやアナログって、流行ってるけど実際どうなの?「円盤好子のアナログジャーニー」では、レコードの魅力をビギナー目線でお伝えしていきます。

第18回のテーマは「専門用語の意味を知ろう」です。 「ハイ・ロー」「ゲイン」「アンチスケーティング」…オーディオ関連で耳にしたり目にする専門用語、なんとなーくはわかるけど、どんな意味? 今回はそんな専門用語について、カンタンに学んでみましょう。

円盤好子とさぶろう先生のプロフィール

こんにちは、円盤好子です。 レコードやオーディオ界隈をのぞいていると、独特の単語や言い回しというものに出会うことがあると思います。 特にレコードの再生は、専門用語も多いですね。 そこで今回は、そのような頻出ワードの意味をオーディオのプロフェッショナル、さぶろう先生に教えてもらいました。

円盤:今日は、頻出ワードについてお伺いしたいと思います。

さぶろう先生:はい、よろしくお願いします。

前回の質問はこちら → 円盤好子vol.15 オーディオ専門家の先生に聞いてみよう

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「ハイ」「ロー」とは周波数帯のこと

円盤:まず、「ハイ」とか「ロー」についてです。 よく聞く言葉ですが、これってどんな意味なんですか?

さぶろう先生:音楽やオーディオ界隈ではおもに「周波数帯」のことを指します。 周波数というのは大雑把にいうと音の高さのことで、ハイは「高域=高い音」、ローは「低域=低い音」のことです。 ハイとかローに関して厳密に音の高さや周波数に決まりはなくて、ひじょうにざっくりとした表現です。

円盤:このスピーカーはローがよく出てるよね、とかですか?

さぶろう先生:そうですね。 逆の場合は、ハイ上がりなバランスだね、などと言います。 同じくレコード盤の音質自体にも使ったりします。 ちなみに、ローは語尾を上げて言うとそれっぽく聞こえると思います(笑)。

円盤:そうなんですね、今度使ってみます(笑)。 ほかにも、オーディオ機器の設定とかにもよく出てきますよね?

さぶろう先生:はい。 おっしゃる通り、音量に関する設定の部分で、高めの設定をハイ、低めの設定をローなどというように設定したりする場合にも使われます。

「ゲイン」で大もとの部分の音量を設定する

円盤:それから「ゲイン」という言葉もよく聞きますが、これはボリュームとは違うのですか? 動画配信とかを見ているとたまに出てくるのですが、同じものでしょうか?

さぶろう先生:これは、ボリュームと同じような働きの言葉ですが、ボリュームよりも前段階に置かれる音量の設定で使われます。

円盤:前段階というと?

さぶろう先生:ボリュームは、再生機器の最終的な音量調整に使われる言葉です。 アンプのボリュームとかですね。
一方で「ゲイン」は、録音機器や編集ソフトの中で登場します。 たとえば動画配信の場合ですと、「マイクの入力ゲイン」などという形で「ゲイン」という言葉が出てきます。 これは、マイクの音をどれだけ増幅(大きく)して入力するのかということです。
それから、録音された音声ファイルそのものの音量を上げ下げする時に「ゲイン」を変更する、などと使われます。

円盤:なるほど、、スピーカーなどから出てくる最終的な音量の調整は全体の「ボリューム」で、反対にマイクから取り込む音の大きさを調整したり、録音された音声素材の音量を調整する場合に「ゲイン」という言葉が使われるのですね。

さぶろう先生:はい、ちょっと紛らわしいですよね、、ざっくりいって、「ゲイン」は信号の増幅度合いの調整、ボリュームは最終音量の調整(厳密にいうと、増幅はしておらず、音量を完全に絞った状態がボリュームゼロで、元の大きさに戻した状態がボリューム最大)、という捉え方でよいと思います。

「ハイ」「ロー」とは周波数帯のこと

「アンチスケーティング」は引っ張る力を打ち消す機能

円盤:次に、レコードプレーヤーの設定で出てくる「アンチスケーティング」っていうのはなんですか?

さぶろう先生:アンチスケーティングというのは、その名の通り、滑りを防止するためのものです。 レコード盤が回転することによってアーム部分で発生する「インフォース(引っ張られる力)」を打ち消すための機能で、別名「インサイドフォースキャンセラー」とも呼ばれます。

円盤:トーンアームの根本の部分にダイヤルがあって数字が書いてあるのがそれですか?

さぶろう先生:そうです! ターンテーブルにレコード盤を置いてそこに針先を降ろすと、回転の中心に向かって引っ張る力が発生してしまうのです。 アンチスケーティングはその引っ張りを打ち消すための機能で、使い方としては、使用するカートリッジの針圧と同じにしておくのが基本ですね。

「アンチスケーティング」は引っ張る力を打ち消す機能

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今回は、以上3つのワードについてさぶろう先生に聞いてみました。 よく耳にするけどちょっと意味が分かりづらいワードの謎が解けましたね。 難しい、知らないワードが多いとどうしても難しく感じてしまいがちですが、こうして1つずつ理解できるようになると、「じゃあこれは?」とどんどん新しい疑問が湧き出てきます。 私も少しはアナログマスターに近づけたかな…?また気になるワードが出てきたときは、さぶろう先生にお尋ねしてみようと思います!

では!

Supervision:Saburo Ubukata
Words:SUKIKO.E
Illustrator:Tatsuya Hirayama
Direction:May Mochizuki

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