レコードやアナログって、流行ってるけど実際どうなの?「円盤好子のアナログジャーニー」では、レコードの魅力をビギナー目線でお伝えしていきます。
第15回のテーマは「さぶろう先生に聞いてみよう」です。 レコードで音楽を聴くのに最低限必要なものは? 日本盤ってやっぱり良いの? カラーレコードや重量盤って何が違うの? 今回はそんな質問へのアンサーをお届けします。
こんにちは、円盤好子です。 レコード再生は、何かと手間がかかるもの。 それだけに奥深く面白い世界でもありますが、覚えることが多い上に、よく分からないことが多いのも事実です。 そこで今回は初歩的な質問から気になっていたあのことまで、オーディオのプロフェッショナル、さぶろう先生に質問しました!
レコードで音楽を聴くとき最低限必要なものは?
また、それらを購入するときに気を付けたいことはありますか?
円盤:最初は基本的な質問から。 レコードを楽しむために必要なものを教えてください!
さぶろう先生:まず、レコードを再生するためには、プレーヤーやフォノイコライザーアンプと呼ばれるものが最低限必要になります。 また、そこから得られたレコードの信号を音に変えるための、スピーカーやヘッドホンなどが必要になります。 さらに、スピーカーやヘッドホンは、それを鳴らすためのアンプが必要です。
円盤:レコードを再生するのには色々と機材が必要なんですね…!
さぶろう先生:はい、厳密に見ていくとこれだけのものが必要になります。 ただ、これらを全て一度に揃えるのは大変ですよね。
円盤:何かもっと手軽に再生する方法はありますか?
さぶろう先生:あります! もっとも手軽にレコードを再生したい場合は、フォノイコライザーアンプが内蔵されていて、さらにはBluetooth送信機能が付いたレコードプレーヤーを購入するのがおすすめです。 オーディオテクニカの製品で言えば、AT-LP60XBTあたりでしょうか。 これを買えば、ひとまずBluetooth接続のワイヤレスイヤホンやワイヤレスヘッドホンがあればすぐにレコードを聴くことができますので。
円盤:Bluetoothのイヤホンやスピーカーであれば持っている人も多そうですし、これなら手軽にはじめられそうですね。
さぶろう先生:そこから始めて、スピーカーやアンプ、またはアクティブスピーカーを揃えるのが良いでしょう。
円盤:購入にあたって機器を選ぶ注意点みたいなものはありますか?
さぶろう先生:購入の注意点は特にはありませんが、ゆくゆくさらにこだわりの音を楽しみたくなると思いますので、カートリッジが交換できるタイプのプレーヤーを購入しておくとなお良いと思います。
”日本盤のレコードは質が良く人気” と聞きますが本当ですか?
他に比較的良い盤が多い国はありますか?
円盤:最近レコードショップで外国人観光客の方たちの姿をよく見かけます。 「日本盤のレコードは質が良くて人気」と耳にしますが、これは本当でしょうか?
さぶろう先生:これは、時代によって異なると思います。 日本盤でも、時代によっては音が良くないと言われる時期や盤が存在します。 それと同じで、一概にどこの国のプレスが良いと明言するのは難しいですが、音質に拘るのであればオリジナル盤とよばれるものを探すのが王道となっています。
円盤:色々とあるんですねー。
さぶろう先生:はい、この部分はかなりこだわりの領域になりますね。 コレクターの方の中には、同じ盤でもいくつものプレス違いやロット違いを集める方もいらっしゃいますね。
カラーレコードと通常の盤の音質の違いは?
円盤:アナログジャーニーでは以前、カラーレコードについてご紹介しました。 黒いレコードとは違って、カラーレコードにはカーボンが含まれていない、とのことですがこれは音質にも影響は出るのですか?
(カラーレコードについてご紹介した記事:ピクチャーレコード、カラーレコードって何?)
さぶろう先生:一説によると、素材の関係からカラーレコードは不利と言われています。 よって、もし、欲しいタイトルがカラー盤と通常の黒い盤が存在するのであれば、音にこだわりたい場合は通常盤を購入しても良いかもしれません。 しかしながら、再生環境によってはあまり変わらないかもしれないですし、カラーレコードはその見た目の味わいや美しさが何よりもの魅力だと思います。
円盤:カラーレコードって綺麗ですよね。
さぶろう先生:いいですよね。 私もカラーレコードの見た目や音質が好きです。
重量盤と通常のレコードの音質差は?
円盤:カラーレコードの他に、重量盤も目にすることがあります。 これは通常の黒いレコードとは何か違うんですか?
さぶろう先生:重量盤のほうが回転が安定するため、理論的にも聴感的にもやはり安定感のある音が得られるでしょう。 また、盤が厚いため反りにくいという利点もあります。
円盤:重量盤はいいことずくめですね!
さぶろう先生:いわゆるハイファイな音がお好きな方は重量盤を検討しても良いと思います。 しかしながら、人によってはそのハイファイさが好きでなかったり、重たいと思われる方もいらっしゃいますね。 音楽内容とも関係しそうな部分ですが、重量盤はやはり反りに対しての安心感はありますね。
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今回はオーディオのプロ、さぶろう先生に初心者からの質問をぶつけてみました!もちろん自分で調べてみることも1つですが、詳しい人に教えてもらうと「そういうことだったのか!」という発見がどんどん出てくるので、楽しみながら知ることができます。 まだまだ質問したいことははあるので、それはまたの機会に聞いてみようと思います!
では!
Supervision:Saburo Ubukata
Words & Photos:SUKIKO.E
Illustrator:Tatsuya Hirayama
Direction:May Mochizuki