Trinket SorceressのオーナーKatieは、魔法のようなヘッドホン用アクセサリーを創るクリエーターです。彼女が創り出すホーン（角）や動物の耳、アンテナ、花をはじめとしたバラエティーに富んだアクセサリーは、自分のヘッドホンをおしゃれに、個性的に変えることができるアイテムとして、特にゲーマーやストリーマー、音楽ファンの間で人気を集めています 。今回は、３Dプリンターを使ったアクセサリー作りのあり方やその理由、また『 ATH-M20x 』の大ファンでもある彼女から見たヘッドホンの魅力や、彼女のファンが待ち望む新作の魅力に迫ります。

<ユニークなヘッドホンアクセサリーを作るようになったきっかけは何でしょう？もともと趣味で始められたものなのか 、最初からビジネスにしようという考えがあったのですか。>
 最初は、コスチューム用のアクセサリーを3Dプリンターで作ったのがきっかけです。当時、ルネサンス・フェア というイベントに参加するために自分用のアクセサリーを作っていました。すると、ホーンのカラーリングやラメの見た目を、何人かの人が気に入ってくれたんです。そこからショップ化するアイデアが浮かんできましたその頃は、リモートワークが中心だったので、仕事をしていないときはゲームをしていました。そこから3Dソフトウェアにどんどんはまっていって、自分のヘッドホンをカスタムするようになったんです。大きな転機になったのはTikTok ですね。以前に作ったシンプルなデザインのアイテムが大ヒットして、どんどん作り続けているうちに、最終的にはビジネスとして成り立つようになりました。

<オーバーヘッドタイプのヘッドホンなら、どんな機種にも対応できるのでしょうか？また特定のモデルに特化したデザインなどはありますか。>
 デザインは、できるだけ汎用性のあるものにしようと努力しています。今までで、どうしてもうまくいかなかったのは超薄メタルの二重バンド型ヘッドホンですね。バンドが薄いので曲がりすぎてしまい、アクセサリーが不安定になってしまうんです。そこで、ヘッドホンの横にピタッとくっつけるタイプの「チャーム」を作り始めました。

<自己表現に加えて、共生社会にもつながるアイテムを作っていると伺いましたが、その点について少し詳しく教えてください。>
 私は以前から、ジャンルを問わず美しいものが好きで、自分らしい姿で注目を集めている人を見るのも大好きだったんです。デザインをするときは、そのアクセサリーを着けた人が周りから注目されるんだ 、という気持ちで取り組みます。ゲーミングの世界や音楽業界でさえ、自分は誰からも注目されないという孤独感を感じやすいんです。私がオーダーメイド的なやり方をしているのは、ひとりひとりが自分の個性や自分の世界にぴったりな色をチョイスできるようにするためです。

 ヘッドホンを着けているとホッとするそうですね。音楽を聴く、ゲームをする、ストリーミングを楽しむなどが考えられますが、ヘッドホンを一番使うのはどういう時ですか。

また、ヘッドホンに対して何かこだわりはありますか？好きなモデルや機種があれば、教えてください。ヘッドホンは私の生活に欠かせません。デザインをする時やゲームの時はもちろん、エクササイズや家事をしている時も、一日を通して音楽を聴いています。こだわりといえば、やっぱり着け心地の良さですね。イヤホンタイプは、どうしても頭が痛くなってしまうので私には合っていません。なので、耳の上オーバーヘッドタイプのヘッドホンは、なくてはならない存在です。実は、オーディオテクニカが私の好きなブランドなんです。2年前、義兄の勧めで使ってみたのですが、それからはオーディオテクニカ一筋です。 ATH-M20xをずっと愛用しています。

 ATH-M20x　プロフェッショナルモニターヘッドホン

<新しい作品のアイデアはどうやって思いつくのですか？定期的に新作を出しているのか、それとも定番デザインのアクセサリー販売がメインなのでしょうか。>

 個人的に楽しんでいるメディアからヒントを生み出すことが多いですね。ゲームの世界、そして映画やさまざまな芸術分野、アーティストからアイデアが浮かんだりします。「World of Warcraft」は、今まで一番プレイしたゲームのひとつで、この世界観からヒントを得ることも多いです。「デーモン・ホーン」は 、このゲームのデーモン・ハンターから生まれたアイデアです。新作については、月に1回は出せるようにしています。ショップを始めたのが2021年11月で、その時点では8種類ほどの作品がありました。今では100種類以上になり、さらに新作を作り続けています。

<お客様からの特別リクエストに対して、作品を作ることはありますか？またはその予定はあるのでしょうか。>

 実際、リクエストは何件かいただいていますが、近い将来に完全オーダーを始める予定はありません。自分としてはまだ学びの段階だと思ってい て、オーダー注文を始めるのは、それなりにしっかりしたスタイルを確立させてからだと考えています。中には、こだわりのとても強い人がいますが、そういう人はちょっとこわいですね（笑）。

<環境への負荷が少ない創作（原材料をバイオマスプラスチック（PLA）にしたり、受注してから生産するなど）を心掛けているそうですね。創作活動においてサステナビリティへの取り組みが重要だと考える理由は？作品を購入する人たちも、そうした環境面への配慮を意識していると感じますか。>

 3D印刷を始めてから、端切れや試作品、失敗作など、排出されるムダやゴミの多さをかなり意識するようになりました。自分自身がこれだけの廃棄物を出しているのだから、自分にはそれを管理する責任があると感じたのです。この考え方を最初から意識できていれば良かったのですが…… 。公にはあまり語られないことですが、 PLAであっても完全に生物分解されません。しかし、PLAをリサイクルできる設備をもつ企業や個人も実際います。私は、できるだけ多くリサイクルするように努力しています。このような点については、全て正直に公表しているので購入者の方々からは感謝の声をいただいています。また、他のアーティストさんたちからは、リサイクル施設の情報を教えてほしいというリクエストもありました。

<Trinket Sorceressファン待望の新しいテーマやサプライズはありますか。>

 今ちょうど、これまでの動物の耳をバージョンアップしているところです。他には、「スプリング・コレクション」も作成中で、あらゆる植物や花のデザインをできるだけ取り入れる予定です。また今後も、新しいスタイルへの挑戦や新デザインの追加も頑張っていきます。

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