1991 ── 1995
躍進するマイクロホン技術
バブル経済が衰退したこの時期、オーディオテクニカではプロオーディオ部門がめざましく発展し、米国市場を中心に多くのヒット作を生み出しました。サウンドエンジニアやミュージシャンの世界で、伝説的な名器ともいわれているマイクロホンの精鋭たちです。
●1992年、創立30周年。
●スタジオマイクロホンの原器、AT4033コンデンサーマイクロホン。1992年、AES(米国音響技術者協会)でベストマイクロホンに選定。
●スタジオからステージ、野外のスポーツフィールドまで、幅ひろく使われているロングセラー、AT4050可変指向性コンデンサーマイクロホン。
●1200シリーズ・トゥルーダイバーシティ・ワイヤレスシステム。
●同年、日米首脳会談”東京宣言” に、ユニポイントマイクロホンとバウンダリーマイクロホンが採用される。
●トライポイントマイクロホンがバルセロナオリンピックで使用され、好評を得る。
●PCOCC/6NコイルのMC型ステレオカートリッジ、AT-OC30発売。創立30周年記念のプレミアムモデル。
●ATH-U5ほか、フロントハンガー方式のUシリーズへッドホン発売。
1996
アトランタ。スポーツ収音の大革新
それまでのスポーツ収音といえば、ショットガンマイクロホン等を使って遠方から目標の音をキャッチする方法が常識でした。その常識は1996年のアトランタオリンピック大会でおおきく変わります。たとえばフィールドトラックのすぐ脇に、バレーボールのネットに、体操競技場の床に、あるいはアーチェリーの標的に、目立たない小型マイクロホンを設置。それによって、迫力に満ちた近接音を生々しく捕えることが可能になったのです。
ユニポイントから発達したオーディオテクニカの高性能マイクロホンたちはこの年、スポーツ収音の歴史を完全に塗り変えました。
●アトランタオリンピックで、1,500本以上の当社マイクロホンが採用される。
●天然木ハウジングのATH-W10VTGヘッドホン発売。大ヒット作Wシリーズの第1号機。
●折りたたんで持ち運べるポータブルヘッドホン、ATH-F5、ATH-F3発売。
1997 ── 1999
多様化するヘッドホンの最先端
天然木ハウジングの高級機が予想以上にヒットする一方で、ヘッドホンはアウトドアやパソコン用途などにもひろく浸透し、新たな多様化の時代をむかえていました。アンプ内蔵型で、イヤパッドのないヘッドスピーカーも登場します。
●創立35周年記念限定発売のATH-W10LTDをはじめ、越前漆塗り仕上げATH-W11JPN、ハウジングを大型化したATH-W100と続くWシリーズ。天然木の美しい姿とナチュラルな音質が、ホームオーディオに定着。
●太陽光でほんのり色づくクールヘッドホン、ATH-F5CX発売。
●大口径77mmドライバーのヘッドスピーカーAT-HSP5発売。
●ATH-LX3ミキシングヘッドホン発売。
●エアーダイナミック型ヘッドホンATH-AD10発売。大口径フルオープンADシリーズの第1号機。
●iMac用ヘッドホンATC-H5 “iCool” 発売。
●Wシリーズの天然木ハウジングヘッドホンATH-W1000発売。前年の限定機ATH-W2002をベースにしたレギュラーバージョン。
●イヤフィットヘッドホンの高級モデルATH-EM7発売。鍛造アルミ合金ハウジングを採用。
●第3回サマーソニックに約600本のマイクロホンを提供。以後、毎回連続サポート。