フジロックやSUPERSONIC、FFKT、結いのおとなど｜2021年開催予定の国内音楽フェス6選

2021年開催予定の世界のフェスを日本編、海外編の2本立てでご紹介。第1弾は日本編。今年は＜FUJI ROCK FESTIVAL＞や＜METROCK 2021＞などの野外フェスをはじめ、2020年にやむなく開催を中止した人気フェスたちが復活。各フェスが様々な対策を講じながら開催決定へ至った。そこで、2021年これから開催されるフェスのなかでも、おすすめのものをピックアップ！出演アーティストや今回の見どころなど、詳しくみていこう。

1. FUJI ROCK FESTIVAL

言わずと知れた、国内最大の野外音楽フェス。1997年に山梨県の富士天神山スキー場で初開催され、1999年に会場を新潟県湯沢町の苗場スキー場へと移してからは、2019年まで毎年開催され数々の「伝説」を生み出してきた日本のロック・フェスティバルの先駆けでもある。昨年は東京オリンピック・パラリンピックに合わせて開催日程を1ヶ月ほどずらして開催される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により海外からのアーティスト招聘に困難が生じたため「1年延期」となった。今年は入場人数を減らすなど感染予防対策を徹底し、「国内アーティスト中心のラインナップ」という＜フジロック＞史上初の内容が発表されている。

今年の見どころはやはり、3日目の大トリを飾る電気グルーヴだろう。2019年の出演キャンセル、2020年の開催中止と続き、「3度目の正直」となる今年、2人がどんな雪辱戦を見せてくれるのか楽しみでならない。他にも全米デビューを果たしたMAN WITH A MISSIONや、4年ぶりの出演となるCORNELIUS、新人の登竜門的ステージであるROOKIE A GO-GOからわずか4年でメインステージのヘッドライナーへと上り詰めたKing Gnuなど、注目のアクトが目白押しだ。

2. SUPERSONIC（サマソニ）

2019年、開催20周年のアニヴァーサリーイヤーを無事に終えた＜Summer Sonic＞が、その代替フェスとして新たにスタートさせたのが＜SUPERSONIC＞である。

「ロック、ダンス、ヒップホップと3日間多彩な顔ぶれだった昨年のラインナップから、海外からの来日アーティスト数の制限と1ステージにしたことで、スーパーソニックはエレクトロ・フェスに劇的に変わりました。」

引用元：SUPERSONIC 2021出演アーティスト発表！！

クリエイティブマン代表・清水直樹氏がそうコメントしているように、今年のラインナップはヘッドライナーを務めるゼッド（Zedd）を筆頭に、カイゴ（Kygo）やアラン・ウォーカー（Alan Walker）、ニッキー・ロメロ（Nicky Romero）など人気DJがタイムテーブルに並ぶ。迎え撃つ国内アーティストには、きゃりーぱみゅぱみゅ（東京のみ）が決定。キャパシティの制限や安全管理の観点から、今年は東阪共に1ステージのみでの開催となるが、海外アーティストのライブが1年6ヶ月ぶりにリスタートする＜SUPERSONIC＞は、日本のエンターテインメントにおける「歴史的な瞬間」となるだろう。

3. 京都大作戦

4日間全48組が出演する＜京都大作戦＞は、京都出身スリーピースバンド10-FEETが主宰し、今や「夏の京都の風物詩」。昨年は新型コロナウイルス感染拡大により、2007年の幻となった初回（台風4号の接近により中止）、2018年（豪雨のため中止）以来となる、実に3度目の中止となってしまった。よって今年は「2021〜中止はもう勘弁してくだ祭（マジで）〜」とのタイトルを銘打ち、7月3日からの4日間、京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージで開催。

ジャンルや世代を問わず、数多くのアーティストと頻繁にコラボレーションを続けてきた10-FEETだけあって、ラウド系のバンドからJ-Popグループ、ヒップホップ系のユニット、シンガーソングライターまで実にバラエティ豊かなラインナップが特徴。今年もDragon Ashやback number、Creepy Nuts、Vaundyなど、いい意味で「ごった煮」感あふれる顔ぶれだ。

4. FFKT

2006年から2018年まで、信州やぶはら高原 こだまの森にて開催されていた＜TAICOCLUB＞。その意思を継ぐ形で同フェス主催者により2019年からスタートしたのが＜FFKT＞である。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により中止を余儀なくされたが、2度目の開催となる今年の＜FFKT 2021＞は、当初予定されていた5月から10月に延期となったものの、既存のステージに加えて新たに4番目のステージを追加することが決定している。

広大なキャンプ場にテントを張り、豊かな自然を満喫しながら夜通しライブを楽しめるのが＜TAICOCLUB＞から続く、＜FFKT＞の醍醐味。今年のタイムテーブルも、Buffalo DaughterやWONK、蓮沼執太 & U-zhaan、Dos Monos、長谷川白紙など一筋縄ではいかない個性的なアーティストが並んでいる。ただし、従来の5月から10月へと開催日がずれたこともあり、夜はぐっと冷え込むのは必至。万全の防寒対策で臨もう。

5. OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL

「ジャイガ」の愛称で知られる＜OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL＞は、サマソニ大阪の開催地である人工島・舞洲にて2017年からスタートした比較的新しい野外音楽フェスティバル。初回には久保田利伸や平井堅、ゆずなどあまりフェスでは見ることの出来ないアーティストがブッキングされたことで話題となった。

昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、あえなく中止となってしまったジャイガ。未だコロナの影響が続く中、今年開催に向けての可能性を少しでも前進させるため、3月から毎月スピンオフイベント＜THE BONDS＞を大阪の様々なライブ会場で行ってきた。そうした経験をもとに、フィジカルディスタンスの徹底など感染予防対策を施し開催される今年のジャイガには、ヘッドライナーにKEYTALKとビッケブランカを招聘。他にも謎多きシンガーソングライターyamaや、“香水“で大ブレイクした瑛人、TikTok発のTani Yuukiなど、今をときめく若手アーティストが並んでおり、邦楽シーンの新潮流を体感するのにもうってつけのフェスだ。

6. 結いのおと-YUINOTE-

「結城紬」の産地として知られる茨城県結城市。結城の歴史のある街に点在する寺院や酒蔵、見世蔵など、ライブスペースとは一味違った情緒あふれる環境の中で、2日間にわたって開催されるライブサーキット型音楽イベントが＜結いのおと-YUINOTE-＞だ。2014年にスタートした本イベント、例年は4月に開催されていたが、昨年は新型コロナウイルスの影響により10月に開催。来場者を100人に限定し、坂本美雨 with 関口シンゴ、奇妙礼太郎ら8組のアーティストを迎えて無事に幕を閉じることができた。

今年もそのノウハウを活かし、10月9日、10日の2日間にわたって開催予定。昨年に引き続き奇妙礼太郎が駆けつけるほか、YeYeやkojikojiなど個性的なシンガーソングライターの出演が発表されている。のんびりと街歩きを楽しみながら、グッドミュージックを満喫できる絶好の機会だ。

なお、今年すでに開催されたフェスは、横浜・赤レンガ地区野外特設会場での＜GREENROOM FESTIVAL ’21＞、千葉・千葉市蘇我スポーツ公園での＜JAPAN JAM 2021＞、埼玉・さいたまスーパーアリーナでの＜VIVA LA ROCK 2021＞などがある。一方、残念ながら中止になったフェスは、埼玉・秩父ミューズパークで開催予定だった＜Love Supreme Jazz Festival 2021＞、北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージでの＜RISING SUN ROCK FESTIVAL 2021 in EZO＞、長崎・稲佐山公園野外ステージでの＜Sky Jamboree 2021＞など。

今年無事に開催、成功を収めたフェスの中にもいくつか課題点・問題点が指摘されたものもあるし、開催中止となってしまったフェスの多くは「タイミング」や「不可抗力」としかいえない理由によるものだ。新型コロナウイルスという前例のない事態を前に、フェス主催者も出演者もほとんど手探りで開催の道を模索している。今後、開催が決まっているフェスに参加する私たちオーディエンスも、感染予防対策に全面的に協力し「一緒にフェスを成功させる」という気持ちを持つことが必要だろう。

Words：Takanori Kuroda
Main Photo：宇宙大使☆スター

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