日常的にマイクを使う機会が増えてきた。良い音で聴きたいと思うのと同じように、良い音で録りたいと思っても、いざマイクを使おうとなると、たくさんの種類があって、選ぶだけでも途方に暮れてしまう。話すのか、歌うのか、楽器を演奏するのか、使う人のシチュエーションもさまざまだ。
そこで、オーディオテクニカ「アストロスタジオ」のスタジオマネージャーが、マイクの基礎や使用方法、目的に合ったマイク選びを、簡単、簡潔に徹底解説。これでもうマイク選びには迷わない!
(第5回はこちら)
▼第6回
「手のひらサイズのAT993USB 後編」
日常で持ち運べるマイク
AT993USBのような小型で使いやすく、持ち運びもできるようなマイクは今まで他社では無かったのですか?
他社でも色々出しているので、あると思います。作りが繊細なんです。国内メーカーなので修理しやすいのもあって、AT993USBに限らず、オーディオテクニカのマイクの方を皆さんに選んでいただいているのかなと思います。うちの製品は価格以上のクオリティーも出していますから。
AT993USBについては、スタジオマネージャーのところにはどんなフィードバックが来てますか?
安いから、「音軽くないですか?」とか「壊れやすくないですか?」と最初に言われるんです。でも、実際に使ってみると「今でも使ってます」、「安くてもクオリティー高いです」「他のシチュエーションでも使えますね」など色々なレビューをいただいてます。「高いマイクが買えなくなりました」と価値観が変わった方もいらっしゃいました。
AT993USBは安いだけに色々遊びができ、色々な使い方ができますね。あと、持ち運べるのも魅力だと思います。
僕は、裸の状態で雑なんですけど、鞄に入れてるんですね。コンデンサーマイクって普通、管理状態が良くないと使えなくなっちゃうんです。高級なダイアフラムとか、繊細なダイアフラムを使って壊れやすかったりする構造なんです。でも、このマイクに限っては構造もしっかりしてるので、鞄にポイって入れてても使えてますね。さすがに、投げたりはしないですよ(笑)。ただ、日常の環境であれば、長く使える良いマイクだと思います。
マイクがより日常的なものになってくると、今後も、ますますAT993USBはニーズがありそうですね。
はい。これ手のひらサイズで、可愛いし、買っちゃおうかなって僕もなったんで(笑)。
邪魔にならないサイズ感
このモデルは改良は加えていったりしたのですか?
特にないです。2015年からこの状態です。
最初の設計がちゃんとしていたわけですね。
そうですね。2015年の発売なのでOSがついていけるかなっていう問題が多少なりともありますが、そこのサポートはうちの対応があるので、ちゃんと動くと思いますし、対応OS、システム仕様を理解した上で買っていただければと思います。
USBのマイクだと対応OSの問題がありますね。それは、オーディオテクニカのサイトでチェックできますか?
もちろん。うちのサイトのテクニカルデータというところにあるので、見てもらって買う前にしっかり照らし合わせて買っていただきたいです。
AT993USBは手軽に扱えるマイクですが、セッティングで特に気をつけることはありますか?
AT2020USBと同等なので、特に難しい特別な仕様ではないから、セッティングでも問題はないです。ドライバーのインストールというのも無くて、パソコンに繋げるとデバイスが勝手に読み込まれます。マウスなどと同じように読み込まれて、デバイスにちゃんとAT2020USBの型番が出てきて、すぐにストレスなく使うことができます。
複数の人が同じ場所にいて、リモートで話すようなシチュエーションでは、それぞれ一人に一台ずつ用意してAT2020USBを使うというやり方ですか?
そうですね。それぞれのパソコンに対して一台ずつ繋げておくのが良いです。
AT2020USBは周りの音も拾わないわけですね。
自分が喋ってる声だけ録れます。置き場所はパソコンの横でもどこでもポンと置いて、周りの音もパソコンの音も気にすることなく、話すことができます。このサイズなので、まったく邪魔にならないんです。このサイズ感はヤバイですよ(笑)。