針をレコードの溝(音溝)に沿わせ、音を取り出す役割を持った「カートリッジ」。レコードプレーヤーの中でも、音質に深く関わっている重要な部品のひとつです。例えば針に汚れがついていると、音楽にノイズが混じってしまう可能性も考えられます。
そこで今回は、カートリッジのメンテナンスに焦点を絞り、詳しいクリーニング方法などをご紹介します。
針(スタイラス)の汚れをとる
カートリッジのクリーニングで重要なのが、レコードと直接触れる針(スタイラス)の汚れを取り除くことです。クリーニングには、「スタイラスクリーナー」という専用の用品を使います。
一口にスタイラスクリーナーと言っても、その種類はさまざまです。今回はスタイラスクリーナーの中から代表的なものをピックアップし、それぞれの特徴をご紹介します。
乾式
ブラシなどで針についたホコリやチリを取り除くタイプのクリーナーを「乾式」と呼びます。プレーヤーにセットしているレコードを取り替えるときなどに、手軽にクリーニングできるのが特徴です。
湿式
「湿式」は、クリーニング液で針の汚れを除去するタイプのクリーナーです。多くの場合はクリーニング液の容器のキャップ部分にブラシが付いており、そのブラシにクリーニング液をつけて針をクリーニングします。
粘着式
「粘着式」はその名前のとおり、粘着性のゲルを針にあてて汚れを吸い付けるタイプのクリーナーです。特徴としては、細かいホコリやチリも取り除けることや、ゲルを水洗いすることで長期間清潔な状態で使えることが挙げられます。
カートリッジをよく交換する人はヘッドシェルも要確認
針で読み取った信号(情報・記録)はトーンアーム内部の配線を通り、フォノイコライザーやアンプに送られます。そのため、高音質でレコードを楽しむためには、カートリッジとトーンアームの間にある「ヘッドシェル」を清潔に保つことも重要です。特にカートリッジをよく付け替える場合には、ヘッドシェルやその接点の定期的なクリーニングをおすすめします。
クリーニングの際には、ヘッドシェルとカートリッジをつなぐリードワイヤーを、クロスやクリーナーで優しく拭きましょう。また、トーンアームとの接点も綿棒などでこすり、汚れを除去しておきたいところです。
番外編:意外と忘れがち!プレーヤー本体のクリーニング
せっかくカートリッジやヘッドシェルをきれいにするのであれば、同時にプレーヤーそのものもクリーニングするのがおすすめです。本体やカバー(ダストカバー)、ターンテーブルマットの汚れを拭き取っておきましょう。
きれいな音はきれいな針から!
高音質でレコードを楽しむためには、定期的にカートリッジをクリーニングすることが重要です。
しかし、必ずしも高価な用品を使ったり、レコードを聴くたびにクリーニングしたりする必要はありません。ぜひメンテナンスすること自体を楽しむ感覚で、無理のない範囲でクリーニングを行ってみてください。