「真空管アンプ」は他にはない魅力を持ったオーディオ機器です。温かみのある音質とレトロな外観が特徴であり、50年以上にもわたって根強いファンが付いています。
今回は、そんな真空管アンプを実際に購入するにあたって、どのようなポイントに気をつければ良いのかをご説明します。「興味はあるけど選び方がわからない……」とお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
真空管アンプとは
真空管アンプとは、音の情報を増幅させるために真空管を用いているアンプのことです。これだけでは説明が不十分かもしれませんので、もう少し内容を掘り下げていきましょう。
前提としてアンプは、入力された音の情報を増幅させてスピーカーなどへ出力する役割を持っています。そして、この音を増幅させる仕組みによって、アンプを大きく2種類に分類することが可能です。
そのうちの一つが、真空管を用いるタイプ。そしてもう一つが「トランジスタ(半導体)」を用いるタイプです。
もちろんアンプのモデルにもよりますが、真空管アンプには真空管アンプ、トランジスタアンプにはトランジスタアンプの、特有の音質があります。ざっくりと言えば、真空管アンプは温かみのある音、トランジスタアンプは硬質な音が特徴です。
真空管アンプを選ぶポイント
真空管アンプを選ぶうえで確認しておきたいポイントは3つあります。以下でそれぞれを詳しく見ていきましょう。
プリメインアンプかセパレートアンプか
1つ目のポイントは、「プリメインアンプ」と「セパレートアンプ」のどちらを選ぶかです。
アンプの機能は、主に音の調整や左右への振り分けを行う「プリアンプ部分」と、増幅を行う「パワーアンプ部分」に分かれています。そして、これら2つの機能が一体になったものが「プリメインアンプ」、別々になったものが「セパレートアンプ」です。
プリメインアンプは比較的安価で扱いやすく、初心者にもおすすめです。一方のセパレートアンプは、音質にとことんこだわりたい方に向いています。
シングルアンプかプッシュプルアンプか
2つ目のポイントは、アンプの構造です。
真空管アンプには、搭載されている真空管が2本の「シングルアンプ」と、4本の「プッシュプルアンプ」があります。シングルアンプは音質に優れる一方で出力は控えめであり、プッシュプルアンプの特徴は真逆です。繊細な音を出せるシングルアンプ、厚みのある音を出せるプッシュプルアンプ……と言い換えても良いでしょう。
どちらにするかを選ぶ際には、普段聴いている音楽のジャンルや好みの音質を考慮したいところです。
出力の大きさ
3つ目のポイントは、出力の大きさです。
こちらも構造と同様に、ご自身の好みなどを考慮して選ぶのがベターです。出力が大きいからといって、必ずしもその真空管アンプが優れているわけではありません。むしろ、出力を大きくしすぎると、真空管アンプの特徴が薄れてしまうケースもあります。
真空管アンプ特有の音質を重視する方は、出力数が10W以下のモデルがおすすめ。逆にある程度の音量を求める場合には、10W以上のモデルを検討することになるでしょう。
まとめ
たくさんのモデルがある真空管アンプですが、ポイントさえ押さえておけば、選ぶのは決して難しくありません。ぜひこの記事を参考に、お気に入りの1台を見つけてみてはいかがでしょうか。