レコードは物理的に情報が記録されていることもあり、CDなどと比較してかなり繊細なメディアです。盤面にホコリや手垢がついているだけでも、聴くときにノイズが発生したり、音質が劣化してしまいます。
しかし、レコードを取り扱うときに過度に神経質になる必要はありません。仮にレコードが汚れてしまっても、「乾式」と「湿式」の2つのクリーニング方法を使い分けて正しくメンテナンスすれば、音質を良い状態で保つことが可能です。
そこで今回は、レコードメンテナンスの基礎知識や注意点、メンテナンスに使う用品をご紹介します。最近レコードを聴きはじめた方でも、この記事さえ読めば正しいメンテナンス方法をご確認いただけます。
普段のメンテンスは乾式クリーナーで簡易的に
はじめにご紹介する「乾式」は、液体を使わずにレコードの汚れを拭き取るものです。レコードを聴く前やレコードの盤面を手で触ってしまったときのケアなど、基本的なメンテナンスに用いられます。
拭き取り面が柔らかいベルベットになっており、盤面を傷つけずに汚れをしっかりと拭き取れます。
しつこい汚れには湿式クリーナーでしっかりメンテナンス
次にご紹介する「湿式」は、汚れを拭き取るのにクリーニング液を併用する方法です。乾式よりも効果的にレコードの汚れを落とせるほか、静電気を抑えることでホコリを吸い付けずにクリーニングできるといったメリットがあります。
湿式でクリーニングする際には、乾式と同様に、湿式専用のクリーナーを使いましょう。クリーナーの中には、乾式と湿式の両方に対応しているものもあります。
レコードをクリーニングするときの注意点
レコードをクリーニングする際には、以下の3つの注意点に気をつけたいところです。
クリーナーを動かすときはレコードの溝に沿って円を描くように
クリーナーの動かし方は、「レコードの溝に沿って円を描くよう」が大原則です。CDのように内側から外側に向けて拭かないように注意しましょう。また、クリーナーによっては、動かす方向を指定する矢印が書かれている場合もあります。特に指定がない場合には、時計回りにクリーナーを動かすと良いでしょう。
湿式でクリーニングしたあとはレコードをしっかり乾燥させる
レコードについた水分や湿気はカビの原因になってしまいます。湿式でクリーニングしたときは、ジャケットに戻す前にしっかりと乾燥させるようにしてください。
静電気に気をつける
静電気はレコードの大敵です。ノイズの原因となるチリやホコリを吸い寄せてしまうほか、静電気そのものがノイズを発生させることもあります。冬場など静電気が起きやすい環境でクリーニングをする場合には、レコード用の静電気防止スプレーや、静電気を防止するクリーナーなどがおすすめです。
最適なクリーニング用品で正しいメンテナンスを!
汚れひとつで音が変わってしまうなど、繊細なのはレコードのメリットでもありデメリットでもあります。しかし、正しい用品を使って正しくクリーニングすれば、レコードのメンテナンスは決して難しくありません。
クリーニングの基礎となる乾式と湿式を押さえて、お気に入りのレコードをメンテナンスしてみてはいかがでしょうか。