レコードショップで実物を見ながらレコードを選ぶ過程には、インターネットショッピングにはない楽しみがあります。歴史のある媒体だからこそ、中古品の中にある思わぬ掘り出し物に出会えるのも、レコードの魅力の一つです。

しかし、実際に中古レコードを買うとなると、どのような点に注意すればいいのかがわかりづらいもの。初心者の方にとって「興味はあるけど不安」という葛藤は珍しくないと思います。

そこで今回の記事では、中古レコードを買うときに押さえておきたい注意点を、3つご紹介します。

注意点その1:盤面やジャケットの状態、特記事項に注目

中古レコードを買うときにまず確認しておきたいのが、盤面やジャケットの状態です。

中古である以上、ある程度の劣化があることは避けられません。そのうえで傷や汚れなど、盤面・ジャケットの状態が自分の許容範囲であるかどうかを見ておきたいところです。

その際は、目視での確認はもちろん、コンディション表記や特記事項も参考になります。

コンディション表記やコンディションの基準は店舗によって異なりますが「A→B→C→D→E→F」「M→EX→VG→G→P」などの基準で、盤面やジャケットの状態を表記したものです。左に行くほど状態が良好であり、逆に「F」や「P」では、再生するとかなりのノイズが交じる可能性があります。

参考までに、レコード盤グレードの例を一覧でご紹介します。

表記 状態
New 新品
M(Mint) 新品同様
M− 中古美品
M−− 微小の傷あり、ノイズなし
EX(Excellent)++ 小さな傷あり、微小のノイズあり
EX 目立つ傷あり、多少のノイズあり
VG(Very Good)+ 深い傷あり、ノイズあり
VG かなりの傷・ノイズあり
G(Good) 深刻な傷・ノイズあり 盤面の劣化あり
P(Poor) 深刻な傷・ノイズ・劣化あり 再生できない可能性も

そして、特記事項は文字通り、そのレコードにまつわる情報がまとめられたものです。例えばレーベルやプレスされた時期、付属品などが記載されています。

コンディション表記と特記事項を確認すれば、良くも悪くもレコードの状態がある程度把握できます。実際には次にご紹介する検盤・試聴をしてから購入に踏み切ることになると思いますが、まずはこういった情報を店舗でできるかぎり詳しく見ておくのがおすすめです。

注意点その2:試聴や検盤は必要不可欠

「買った中古レコードを再生したら、ノイズだらけで聴けたものじゃない!」

そんな事態を避けるためにも、試聴やレコードを手に取って確認する「検盤」は、欠かさず行っておきましょう。自分の目や耳でレコードの状態を確かめられるのは、実店舗ならではの利点です。

試聴や検盤は必要不可欠

検盤の際は、まずレコードの中央に空いている穴(センターホール)を確認してみましょう。センターホール周辺に擦り傷がついている場合には、そのレコードがあまり丁寧に扱われていなかった可能性が高いです。

センターホールの次は、盤面の傷を確認します。傷がついているかどうかよりも、傷の深さを重点的に見ておきましょう。レコードの溝(音溝)よりも傷が浅い場合には、ノイズの原因にはならないケースがほとんどです。

注意点その3:スタッフには遠慮せず相談するべし

販売されているレコードについてわからないことがあるときは、迷わずにスタッフに相談するのがおすすめ。特記事項・コンディションの読み方などを含めて、不安な点をすべてぶつけてしまいましょう。

レコードショップのスタッフはレコードのプロであると同時に、自身もレコード愛好家である可能性が高いもの。そのため、「中古レコードの状態を詳しく知りたい」というお客さんの心理にも、まず共感してくれるはずです。

もちろん、レコード探しを手伝ってもらうために声をかけるのもOK。「とにかく迷ったら相談」という心持ちで、スタッフとのコミュニケーションを含めてショッピングを楽しんでみてください。

まとめ

中古レコードを買うことに、ハードルの高さを感じてしまう方は少なくないと思います。しかし、せっかくレコードを楽しむのであれば、ぜひ一度はレコードショップへ足を運んでいただきたいものです。

困ったときには、遠慮なくスタッフへ声をかけると良いでしょう。レコードに精通したプロが、親身になって相談に乗ってくれるはずです。

この記事が、皆さんがお気に入りの中古レコードに出会うきっかけになれば幸いです。

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