レコードやアナログって、流行ってるけど実際どうなの?そんな興味はあれども手が伸びない方々へ。 「円盤好子のアナログジャーニー」では、レコードの魅力をビギナー目線でお伝えしていきます。
第40回のテーマは「やぎ座先輩とレコード査定」です。 お部屋の整理や引っ越しなどさまざまな理由で、これまでに集めてきたレコードを手放してきた…という方もいると思います。 たとえばフリマアプリなど手放す手段はいくつかありますが、アナログな断捨離方法のひとつといえばレコードショップでの買取査定。 その一部始終を円盤好子と一緒にウォッチングしましょう。
こんにちは、円盤好子です。 先日、やぎ座先輩が昔買ったレコードとの思い出を話してくれました。 これまでの人生で集めてきたレコードコレクション、泣く泣く手放した盤はあれど今でも数枚が手元に残っていて、中にはどれくらいの金額になるのか気になる…というものもあるそうです。 お金に困っても生活が変わっても、売ることはなかったレコード…もしかすると超レア盤なのかも!?それならば、餅は餅屋。
ということで、今回はやぎ座先輩とレコードの買取査定に行ってきました!
やぎ座先輩の前回の記事はこちら
ご協力いただいたのは、ディスクユニオン下北沢店。 スタッフの三田謙二さんに、買取査定をお願いするときの手順とお店が主にチェックしているポイントを教えてもらいました。
やぎ座先輩の査定の様子をウォッチングしましょう!
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まずは査定受付カウンターへ。 ディスクユニオン下北沢店では、レジ横に “買取受付” と書いてあるカウンターがあります。
今回持ち込んだレコードはこちら!
Brahman 「Wait And Wait」
Hi-Standard 「I Don’t Need Trouble Because of… Money」
Tha Blue Herb 「未来は俺等の手の中」
Buddha Brand 「Don’t Test Da Master」
The Mad Capsule Markets 「OSC-DIS (Oscillator In Distortion)」
シングル4枚とアルバム1枚の計5枚を査定してもらいます。
三田さんに聞くと、査定をしに来られるのはやぎ座先輩のように数枚という方もいれば、段ボール箱を車に積んで来る方もいるそうです。 さらにもっと多くのレコードがあり運びきれないという方には、宅配や出張買取も行っているとのこと。 心強いですね。
ここで査定中の三田さんにチェックポイントを聞いてみました。
その1 ジャケットや帯、ライナーノーツの状態
まずは外側から。 ジャケット、帯、それと中に入っているライナーノーツをチェックします。 傷や汚れがなく状態が良いことはもちろんですが、帯やライナーノーツの有無も重要。 特に帯に関しては、日本盤のみについているものなので有り無しで大きく価格を左右することもあります。 海外から帯つきを求めて来る方も多いそう!
その2 レコード盤の状態
次は言わずもがな、盤面の傷をチェックします。 見てわかるような傷や汚れはその場で確認できますが、気になるノイズや針飛びはしっかり再生してその状態をみます。
その3 アーティストや曲の注目度
例えばその時に流行っているジャンルやアーティストだと、査定価格が高くなるようです。 発売当時あまり注目されていなくても、今フォーカスされてSNSて流行った!など、そのときどきの旬によっても査定に影響があるみたいですね。
その他、たとえば限定生産で発売枚数が少ない盤や、CDが伸長してレコードの生産数が減少していた年代の盤などは希少で価格も高くなるものが多いようす。
また、レア度でいうとよく聞くのがオリジナル盤。 これは発売当時に生産されたもののことを指し、その後に人気で再発売されたものは同じ曲が入っていても価値が異なります。
査定の基準となるグレードはそれぞれのレコードショップによっても異なるので、店頭にあるグレード表をチェックしましょう。
*グレードに関する記事はこちら
そして、ついに査定が終了!
緊張しながらも久しぶりのレコード査定にわくわくしているやぎ座先輩と、初めてのレコード査定を目の当たりにするわたし。 結果は…お値段はここでは言えませんが、やぎ座先輩は「結構良いお値段…!(笑)」と売るかどうか頭を悩ませていました。
三田さん曰く「どれも状態がよく、きれいに扱っていたのがわかります」とのことでした。 中でも今ふつふつと注目されているジャンル、日本のヒップホップに関しては他のレコードよりも良いお値段になったようです。
ここでプチ情報!ディスクユニオンでは不定期で買取価格がUPするキャンペーンを実施しているそうで、もし買取を検討している人がいるのであればその期間がおすすめとのことでした!
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査定を終えて、やぎ座先輩に買取をするのか否か尋ねてみました。
円盤:査定の結果が出ましたが、このレコードたちは売りますか?売りませんか?
やぎ座先輩:いや〜想像以上に…。 これは難しいですね、家族会議します(笑)。 盤の状態も全く気にしてなかったので、久しぶりにメンテナンスをしようと思いました。 もう一度、レコードと向き合ってみることにします!
円盤:大切にしてきたレコードですから!もう一度聴いてみて決めるのもいいかもしれませんね。
今回のように、査定をしてみて結果的にやっぱりまだ大切に持っておきたい!という方も多いそうです。 やぎ座先輩も今回をきっかけに改めてレコードと向き合う時間ができた様子。 査定中も三田さんと音楽談義が弾んでいました!
ちなみに、お話を聞いていくなかで疑問に思ったことがひとつ。 査定スタッフもきっと音楽・レコード好きなはずで、もし査定をしていて「これはずっと探していたレコード…!」と、個人的に欲しいものと査定中に出会ってしまった時は購入できるのか?ということ。
私だったら真っ先に買いたい!そこで、三田さんに聞いてみました。
三田さん:中古品は社内ルールで従業員が購入することはできません。 中古品は現品限りであると同時に貴重な商品も少なくありませんので、そのようなルールにしております。
円盤:なるほど。 目の前に欲しいレコードがあっても、あくまでお客様のための査定、なんですね。 徹底されている…!
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査定中の三田さんとの音楽トーク、とっても楽しそうでした!ディスクユニオンのような音楽が大好きでレコードを本当に大切にしているショップで査定をお願いできると安心できますね。
では!
disk union 下北沢店
営業時間:(平日) 12:00~20:00 (土日祝) 11:00~20:00
住所:〒155-0031東京都世田谷区北沢1-40-6
小田急・京王井の頭線下北沢駅北口徒歩5分 茶沢通り沿い(タウンホール前)
TEL:03-3467-3231
E-Mail:dsk@diskunion.co.jp
Words:SUKIKO.E
Illustrator:Tatsuya Hirayama
Photos:Hinano Kimoto
Direction:May Mochizuki
Cooperation:diskunion