レコードやアナログって、流行ってるけど実際どうなの?そんな興味はあれども手が伸びない方々へ。「円盤好子のアナログジャーニー」では、レコードの魅力をビギナー目線でお伝えしていきます。
第38回のテーマは「音楽好き必見!バレンタインにレコードチョコをプレゼントしよう!」です。もうすぐバレンタインデー!この日が近づくとお店には多くのチョコレートが並ぶので大好きなシーズンです。ある人にはビッグイベント、ある人にはチョコレートが堪能できる日というこの日、音楽好きは気になること間違いなしのチョコレートをご紹介します!
こんにちは、円盤好子です。2月14日はバレンタインデー!ということで私がずっと気になっていたチョコレートをゲットしたので、ぜひみなさんにもご紹介したいと思います。音楽好きの大切な人、友人、家族、もちろん自分用にもチェックしてほしいチョコレートです。
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そんな気になるお店がこちら。
広島県広島市にあるクラフトチョコレートファクトリー「rit. craft chocolate and coffee(リタルダンド クラフトチョコレート アンド コーヒー)」です。そのチョコレートは…なんとレコードの形なんです!
実際に買ってみました。
カワイイー!!!
とにかくまずアートワークが素敵すぎて、一目でこの子に決めました。つぶらな瞳にかわいらしい色使い…レコードと一緒で、思わず部屋に飾りたくなるようなアートワークです。
中にはライナーノーツのように、アートワークを手掛けているイラストレーターのプロフィールが入ってました。(これもカワイイ…!)
本物のレコードのように溝がしっかり刻み込まれています。針を落としたら音が鳴り出しそうですね。
ちなみにレコードだけでなくカセットもあります。こっちもリアリティがあってプレゼントしたくなる…!
チョコレートはダークからミルクまで6種類の中から好みの1枚を選ぶことができるので、自分用にもプレゼント用にもどちらにもぴったり。店舗に直接行けなくても、オンラインで購入することもできます!1枚だけでなく複数枚購入して週替わりで楽しみたいですね。
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今回、訪問は叶わなかったのですが、個人的に以前からとてもお店が気になっていたこともあり、コンタクトを取ってみたところ、オーナーの住居さんにお話を伺うことができました!
円盤:まずは、お店についてと、お店の名前の由来を教えていただけますか?
住居さん:rit. craft chocolate and coffeeは広島市中区の小さな海辺の町、江波でカカオ豆からチョコレートを作る「クラフトチョコレート」の専門店です。店名にもなっている「rit.(リタルダンド)」とは「だんだんゆっくりと」という音楽記号です。若い頃からイギリスのMODSカルチャーに傾倒し、60年代の音楽を聞いていました。何かしら音楽を感じるお店にしたくて、この記号が目に留まり、店名・ロゴにしました。
円盤: ”音楽” を軸に、お店の名前とチョコレートのイメージが広がっていったのですね。名前もさることながらロゴもおしゃれ!ピックの形になっていて、ここにも ”音楽” とのつながりを感じます。音楽好きのお客さんが多いですか?私もそうなのですが、気にならずにはいられないと思います!
住居さん:若いカップルから高齢の方まで客層は幅広いです。音楽関係の方とのコラボレーションチョコレートも色々と発売させていただきました。音楽好きな方へのプレゼントに「7インチレコードチョコレート」や「カセットチョコレート」を選んでくださることも多いです。
円盤:プレゼントにもらったら絶対に嬉しい!自分へのご褒美にもいいですね。ちなみになぜ広島の町にお店を出されたのですか?
住居さん:生まれも育ちも広島市内。特に大きな理由はありません。
円盤:いいですね、その答えだけで愛を感じます。生まれ育った広島、とのことですがお店を始める前は何をされていたんですか?
住居さん:約20年くらいグラフィックデザイナーをやっていました。20代前半から40代半ばまでのグラフィックデザイナー時代は、音楽のイベントフライヤーからお堅い大学案内など幅広いお仕事をさせていただきました。そこからクラフトチョコレートへの転身ということでこの様なデザインのチョコレートを作っています。
円盤:いま、点と点が線になりました(笑)ロゴ、パッケージ、お店、すべてに住居さんのこだわりを感じます。でも、どうしてまたグラフィック業界からチョコレート、しかも ”クラフトチョコレート” に行きついたんですか?
住居さん:チョコレートに興味を惹かれたのは、2014年にカカオ豆に魅せられてコロンビアに移住し、幻のカカオ豆を追い求める女性を特集したTV番組を偶然目にしたことがきっかけです。その方はカカオハンターの小方真弓さんという方で、番組を見た後は彼女のブランド(CACAO HUNTERS)を調べてすぐにお取り寄せしました。彼女が探し出したカカオ豆から作ったチョコレートを口にした瞬間、香りの広がりに感動し、そのままカカオの世界に引き込まれていきました。その後は小方さんに連絡をとり、いろいろとお話をする中で自分もチョコレートの道に進む思いが強くなり、アドバイスをもらいながらチョコレートのお店を始めることになりました。
チョコレートの原材料であるカカオは「果実」であり、産地や品種によって風味や香りが異なります。その個性をダイレクトに味わえるのがクラフトチョコレートの一番の魅力。
チョコレートの味わいだけでなく、パッケージデザインや形まで、作り手が自由に表現できることもクラフトチョコレートの特徴です。
円盤:なるほどー!味、形、香り、、、 ”つくる” すべてのものを自分のイメージのままに表現できるということですね。すごく素敵です。味わう時はもちろんですが、手に取って目で見て、香りを堪能して、消費者側も作り手の想いをチョコレートと一緒により一層深く楽しめる気がします。私はチョコレートが大好きなのですが、ここまでワクワクしたチョコレートは初めてです。音楽が好き、という共通点もあるのですがまずパッケージは本物のレコードさながらの仕上がり。アートワークだけでなくライナーノーツまでしっかりとこだわりが詰まっています。チョコレートは取り出した瞬間から良い香りに包まれて、幸せになります。感動してすぐ動き出したという住居さんの行動力も尊敬します。
円盤:パッケージのアートワークは様々なものがありそれぞれ違うイラストレーターさんが手掛けているようですが、お店に並ぶものは不定期で変わるのでしょうか?
住居さん:パッケージは基本的には自分で全てデザインを手がけていますが、時々テーマを設定して自分がお願いしたい方に直接コンタクトをとり、自由に表現していただいたデザインをジャケットにすることもあります。
円盤さんが選んだわんちゃんのアートワークは、MUNさんのイラストです。広島市内で活躍しているイラストレーターで、友人を介して知り合い、ジャケットデザインをお願いしました。
円盤:ご自身でデザインしたり、ご自身が気になるアーティストさんに依頼をしてデザインしたり、こういったところにも”クラフト”のこだわりを感じます。
円盤:では最後にレコードチョコレートにちなんで住居さんの好きなレコードとおすすめのレコード屋さんを教えてください。
住居さん:映画『Trainspotting』のサウンドトラックです。22歳で初めて映画館で見た時に衝撃を受け、数回映画館で見ました。映像と音楽、ストーリーの全てが当時の自分に影響を与え、今でもサウンドトラックを聞くだけで、全ての場面が目に浮かびます。
レコードショップは以前、ラジオにゲストで呼んでいただいた時に「好きな曲のレコードを1枚持参する」という企画があって、レコード探しでSTEREO RECORDさんにお世話になりました。
Various – Trainspotting (Music From The Motion Picture) | Releases | Discogs
円盤:住居さんに衝撃を与えた映画、私も観てみたいです。サウンドトラックって映画への没入感を一気に増幅させますよね。映像とストーリーとセットで残っていく感覚、私もわかります。
STEREO RECORDさんは広島市内にあるレコードショップですね。私も以前何度かお邪魔して買い物をしたことがあります。住居さんとは何かとご縁を感じることが多いなあと勝手にお話を聞いておりました!
改めまして、今回は素敵なお話をありがとうございました。ぜひ一度、お店に足を運びたいと思います!
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バレンタインでチョコレートを探している方、まだ間に合います。チョコレート好きはもちろん音楽好き、アート好き、全ての方にこだわりと想いがたくさん詰まったrit.(リタルダンド)のチョコレートをお勧めしたいと思います。私も午後のおやつにいただきまーす!
では!
Words & Photos:SUKIKO.E
Illustrator:Tatsuya Hirayama
Direction:May Mochizuki
Cooperation:rit. craft chocolate and coffee