レコードやアナログって、流行ってるけど実際どうなの?そんな興味はあれども手が伸びない方々へ。 「円盤好子のアナログジャーニー」では、レコードの魅力をビギナー目線でお伝えしていきます。
第36回のテーマは「もしかしてレア盤?!知るとおもしろいレコードジャケット」です。 「ジャケ買い」という買い方があるように、レコードを選ぶ際のポイントにもなるのがジャケット。 実は印刷ミスや諸事情によって、同じ中身でも異なるジャケットデザインで流通した盤があるのです。 今回はそんな希少なレコードをご紹介します。 レア盤探しの参考になる、、かも?
こんにちは、円盤好子です。 これまでに円盤好子のアナログジャーニーではレコードのジャケットに関して何度か触れてきました。 例えばコチラ
今回ご紹介するのは、一見すると普通に見えるレコード。 しかし、同じタイトルで同じアーティストなのにジャケットが2種類ある…!?アーティストの周年記念やレコードストアデイなどで発売される限定盤、というわけではないそうです。
どんな事情が隠されているのでしょうか?その背景とともに、レコードをご紹介します。
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まずはこちら。
Paul McCartney & Wings「Hi Hi Hi / C Moon」
一目瞭然ですね。 どちらも日本で発売されたレコードで同じ曲が収録されていますが、ジャケットの写真が左右対象になっています。
ポール・マッカートニーは左利きなので、正しいのは右側。 左側のものは誤って裏焼き印刷されたものだそうです。 エラーコインのようなものですね。 裏焼きのまま発売されてしまったものは珍しいコレクションとして置いておきたい!
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続いてこちら。
Ray Parker Jr.「Ghostbusters」
こちらはどちらも日本盤です。 レイアウトがやや異なりますが、注目したいのはゴースト。 キャラクターと標識が反転しています!
これはミスではなく、リリース当初は海外で発売されていた左側のデザインのジャケットを日本でも発売していましたが、日本の車両通行止めの標識は逆。 そこで途中から右側の日本の標識に合わせたデザインに切り替えて販売するようになりました。
子供も観る映画の主題歌ですし、ここは正しいマークを載せよう!となったのでしょうか。 切り替わり前に購入していた人は、レアな1枚を手にしているということですね。
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最後はビートルズ!
The Beatles「ビートルズがやって来る – ヤァ! ヤァ! ヤァ! (原題:A Hard Day’s Night)」
The Beatles「恋する二人 / ぼくが泣く(原題:I Should Have Known Better / I’ll Cry Instead)」
こちらは日本だけで発売されたシングル。 この2枚は同じ曲が収録されているシングルですが、左がオデオンレコード、右がアップル・レコードと、それぞれ販売元のレコード会社が異なります。 なぜこのようなことになったかというと、1968年にビートルズがレーベルを設立して再販したから。 右側のレコードが後から発売されたもので、このように同じタイトルで異なるジャケットをセカンドジャケットと呼ぶそうです。
全然イメージが違いますよね!ファンからすると全部をコンプリートしたいというのも頷けます。 これらのシングルのタイトルフォントが今ではなかなか見かけないデザインで、個人的にとても好きです。
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うっかりミスや発売側による都合で生まれたレア盤。 どんなものかを知っていれば、ひょっとするとどこかのジャンクショップや蚤の市で希少なレコードが見つかる機会があるかも…?これからのレコード探しにまたひとつ楽しみができましたね。 さっそく探しに行こ〜っと!
最後に、今回お忙しい中貴重なレコードをご紹介いただいたGINGER.TOKYOのオーナー髙山さん、本当にありがとうございました。
では!
Words & Photos:SUKIKO.E
Illustrator:Tatsuya Hirayama
Direction:May Mochizuki