レコードやアナログって、流行ってるけど実際どうなの?そんな興味はあれども手が伸びない方々へ。 「円盤好子のアナログジャーニー」では、レコードの魅力をビギナー目線でお伝えしていきます。

第28回のテーマは「初心者だって、もっと音質を良くしたい!」。 レコードを聴きたいとプレーヤーを買って、再生できる環境はあるけれど、せっかくなら良い音で聴きたい…。 今の環境で簡単に、かつお手軽に実践できる方法があれば知りたいですよね。 そういう時はプロにお尋ねしてみましょう。

円盤好子とさぶろう先生のプロフィール

こんにちは、円盤好子です。 レコードを聴ける最低限の環境は作れたけど、もっと良い音で聴けないものか…。 どデカいスピーカーを置くには部屋が狭いし、お金をかけてのセッティングはハードルが高い…。 そんなときはプロに聞く!今日は、今ある機材にちょっとした工夫をして音チェンジできるコツがないか、さぶろう先生に教えてもらいましょう!

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さぶろう先生:円盤さんこんにちは。 了解しました。 手軽なものを中心に、お金のかからないものと、少し機材を買い足すものまでをご紹介しましょう。

円盤:お金がかからないのは嬉しいですね。 ぜひぜひお願いします。

さぶろう先生:お金が一切かからないのは「針圧」調整ですね。

円盤:針圧って、カートリッジを付け変えたときとかに、トーンアームについたウェイトを回して調整するやつですよね。

トーンアームのウエイト
トーンアームのウエイト

針圧についてはこちらの記事でも紹介しています:レコードの音を自分の好みに近づけるには?〜オーディオライターのレコード講座〜

さぶろう先生:おっしゃるとおりです。 カートリッジの説明書を見ていただくと、推奨の標準針圧が書いてありますよね。 例えばオーディオテクニカの『AT-VM95ML』ですと、1.8~2.2g(2.0g標準) となっています。 逆に言うとこれは、標準値は2.0gですけど、お好みや状況に応じてこの範囲内で増やしたり減らしたりしても良いですよ、という意味なんです。

円盤:つまり、1.8gから2.2gの間であればどんな数値に設定しても良いですよ、ということなんですね。

さぶろう先生:はい、それを利用して、少し重めの2.2gにしてみてください。 カートリッジや再生環境によっても微妙に変わってきますが、重めの針圧のほうが音の存在感が高くなったり、より濃い音になる傾向があります。

円盤:たったの0.2gで! これはちょっと変えるだけなので手軽ですね。 ぜひうちでもやってみます!

さぶろう先生:反ってしまった盤に対しても、針圧重めの方がトレース力が上がりますので、ぜひ。 それから、手軽で初心者向けという意味ですと、少々お金はかかりますが、スタビライザーを使うのも良いですよ。

円盤:あ、それってもしかしてレコード盤の上に置く「重し」みたいなやつですか?

さぶろう先生:それです! スタビライザーも、反った盤をちょっとだけ平らにしてくれますし、密着度が上がって音の硬さが取れる気がします。 スタビライザーの重さが加わってターンテーブルが重くなると、回転が安定するメリットもあるんですよ。 ただ、あまり重すぎるものはプレーヤーが対応できない場合もあるので、購入前に必ず確認してください。

ディスクスタビライザー『AT618a』
ディスクスタビライザー『AT618a

円盤:そうなんですね。 確認はどうやってしたら良いですか?

さぶろう先生:可能であれば、スタビライザーやプレーヤーのメーカーに聞いてみるのが確実ですね。 たとえばオーディオテクニカのロングセラーモデル『AT618a』は600gと重ためなので、フルオートタイプのエントリーモデルなどには少々荷が重いでしょう。 なのでもう少し上のグレードのプレーヤーから使うとよいと思います。 実は、 AT618aは音が好きで僕も愛用してます。 なんか手触りもホッとするんですよね。

円盤:ご愛用ありがとうございます! これも試してみたいですね。

さぶろう先生:それから、同じく変えやすくてはっきりとした効果が得やすいものとしてはケーブルがあります。 まず、ユニバーサルタイプのアーム限定ですが、カートリッジとトーンアームを結ぶシェルリード線は、カートリッジと同じくらい音が変わりますよ。

円盤:へ~、こんなに短い線で音が変わるんですねー。

リード線『AT6108』
リード線『AT6108

さぶろう先生:たった数cmですけど、強烈に変わりますね。 付属品からちょっといいやつに変えるだけで、はっきりと分かるくらい変わると思います。

円盤:付属品からのステップアップですね。 これも取り替えるだけなので簡単で良さそうです!

さぶろう先生:ぜひ色々変えてみてください。 と、まだまだ色々とあるんですが、長くなるので、また機会があればご紹介しますね。 今回はごく簡単なもののご紹介でした!

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すでにある機材の調整からアクセサリーの変更や追加で違った音を楽しむことができるんですね。 特に針圧の調整はウエイト調整ができるプレーヤーをすでに持っているという人には簡単にトライできる方法でぜひ実践してみたいです。 アクセサリーを追加したり、パーツを変えたりするだけで音の変化を楽しむことができるのもレコードの楽しみ方のひとつなので、みなさんも試してみてください。

では!

Supervision:Saburo Ubukata
Words:SUKIKO.E
Illustrator:Tatsuya Hirayama
Direction:May Mochizuki

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