レコードやアナログって、流行ってるけど実際どうなの?「円盤好子のアナログジャーニー」では、レコードの魅力をビギナー目線でお伝えしていきます。
第7回のテーマは「さかなのレコード」。 オーディオテクニカが開催するイベントで使うレコードを探してきてほしい、そんな司令を受けた円盤好子。 魚の絵が描かれたジャケットを見つけるべく、リサーチを開始します。 果たしてお目当てのレコードは見つかるのでしょうか?
▼前回の記事はこちら
円盤好子のアナログジャーニー ~K-POPアーティストもレコードを発売する今~
今回は、レコードの探し方についてご紹介します。
こんにちは、円盤好子です。 今回は少し前のお話になりますが、ボスの松さんから託されたミッションについて書いてみようと思います。 そのミッションとは、昨年11月に開催されたオーディオテクニカの60周年イベント「ANALOG MARKET」で使うレコードを探してきてほしい、というもの。
(社内にて)
松さん「円盤さん、円盤さん。 お願いが。 さかなの絵があるジャケットを5枚集めてきてほしいの~」
円盤「さかな…」
松さん「サカナ。 1ヶ月以内ね。 」
円盤「サカナ。 …。 」
松さん「すでに候補は2枚あってね。 まずはハービー・ハンコックの『Flood』。 もう一つは、アールイーオースピードワゴンの『You Can Tune A Piano, But You Can’t Tuna Fish』。 あともう3枚、”さかな”のジャケット” を探して買っておいて~」
円盤「さかなですね、わかりました!(楽勝だろうな、すぐ終わらせよう) 」
ここから私とさかなジャケットの戦いが始まります。 まさかこんな死闘になるとはこの時の私は知る由もありませんでした。
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正直、レコードショップでレコードを購入したことはあるのですが、状態の良し悪しなどはあまり気にせず購入していました。 しかし今回はイベントでお客様にも聴いていただくものなので、念入りに選定していきます。
まずは一番近くにあるレコードショップへ探しに行きました。 きっとロックミュージックにあるだろう、という根拠のない自信とともにロックコーナーへ。 約1時間捜索しましたが、見つかりません。 なのでスタッフさんに聞いてみました。
円盤「さかなのジャケットのレコードありますか?なんでもいいです。 」
スタッフさん「さかな?魚、サカナ…ちょっと探してみます。 笑」
円盤「すみません、お願いします!」
―30分後―
スタッフさん「申し訳ございません、ありませんでした。 」
円盤「探してくださり、ありがとうございます!」
30分間も探してくださったことに感謝です。
・・・よし、次だ。
ここから池袋、渋谷、新宿、下北沢…社内のレコードコレクターたちに教えてもらい、数週間かけて探し回りました。 どのレコード屋さんでも、日本人以外の観光客らしきお客さんを多く見かけました。 日本のレコードは状態がいいものが多く人気のため、海外から探しに来る人も少なくないそうです。
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そんなこんなでまずは3枚、レコードショップにてみつけた戦利品がこちらです。
“魚”というキーワードだけで探すのもなかなか難しいものです…店頭でガサガサ1枚ずつジャケットを見ながら探すことが一種の醍醐味ではありますが、今回はミッションで時間が限られています。
残すはあと2枚…!ということで、Discogsデビューして見つけることができました!
みなさんはDiscogsをご存じですか?レコード情報が詰まっているデータベースであり、レコードの売買もできます!別の記事で詳しく説明しているので気になる方はこちらをぜひチェックしてみてください
Discogでの売り手は海外のバイヤーが多いので、まずは期限内に届くように郵送期間と郵送費を確認。 そして今回はイベント用なので、状態は一定以上の綺麗なものを探します。
レコード自体の状態は同じでも、”帯が付いているかどうか” や ”どこの国で生産販売されたか” など、さまざまな付加価値があるようです。 それで価格がだいぶ変わってくるということを初めて知りました。
毎日Discogsのアプリで在庫を検索し、出品されるたびに確認する、という日々を2週間ほど過ごしました。 そのおかげでDiscogsの使い方やレコードに関するアレコレを知ることができました。 (このミッションの狙いはこれを勉強するためだったのか…!)
Discogsには世界中からコレクターたちの情報が集まり、膨大な量のレコードが掲載されています。 しかし当たり前ですが、情報だけで購入しなければならないので試聴はできません。
一方で、実店舗では(ショップによって違いはありますが)購入前の確認で試聴ができ、掘り出しものもあったりします。 店員さんにおすすめを聞くのも楽しいです。
集めたレコード5枚は“魚”という共通点はあるものの、デザインがそれぞれ全く違い改めてアートワークの面白さを感じました。
今回この魚ジャケミッションを通じて、レコードマスターへの道を一歩前進した気がします。 素敵なショップがたくさんあったので、ショップについてのお話もいつかできたらと思います。 もしもみなさんが気になるレコードを探す際は、ぜひ両方とも活用してください!
気になる魚ジャケット、1枚ぜひ聴いてみてください
ハービー・ハンコック『Flood』から1曲ぜひ聴いてみてください
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レコードショップと魚のアートワークの話を社内でしているとき、とある先輩にいくつかレコードショップを教えてもらいました。 その人は昔レンタルショップでアルバイトをしていて、よく帰りがけにレコードを買って帰っていたそうです。 その会話の中で、アートワークが呼び寄せた面白い話を聞いたので次回にご紹介したいと思います。 今ではなかなか見ることができない光景だろうな、と想像しながら聞いていました。
では!
Words & Photos:SUKIKO.E
Illustrator:Tatsuya Hirayama
Direction:May Mochizuki