レコードやアナログって、流行ってるけど実際どうなの?「円盤好子のアナログジャーニー」では、レコードの魅力をビギナー目線でお伝えしていきます。
第2回のテーマは「旅するレコード盤」。 海外の中古レコードショップから買ってきたというレコードのジャケットに、手書きで何かが書かれているのを発見した円盤好子。 どうやら書かれているのは名前のようですが、どんな意味があるのでしょうか?
今回は、そんな中古のレコードならではの魅力についてご紹介していきます。
▼前回の記事はこちら
円盤好子のアナログジャーニー ~松さんのレコードBOXを探ってみる~
こんにちは、円盤好子です。 「中古」といえば、みなさんはどんなものを思い浮かべますか?
私は古着が好きで、よく古着屋さんにフラッと立ち寄っては発売当時のデザインや日本では見かけないスタイルの服を見つけてワクワクしています。 また中古ならではの色褪せやダメージなど、自分のもとに来るまでの歴史が見えるところも楽しみの一つですね。
そう考えると、レコードも同じかもしれません。 たとえば音楽配信サービスといったデジタルな音源とは一味違った音を聴くことができるし、中古の場合は少し使用感が入っている部分もひっくるめてそのレコードの歴史を楽しむことができると思うのです。
前回は私のボス、松さんが海外のマーケットで掘り出したレコードの中から、アートワークが気になったジャケットをご紹介しました。 その時に一緒に見つけた、興味をそそるレコードをご紹介したいと思います。
ボールペンなのか色付きペンで書かれた文字がいくつかありました。 英語…?
レコードの作者、もしくは演奏者なのかな?とクレジットを見てみましたが違いました。 タイトルと落書きの中で読める文字を並べて検索するも答えは出てこず…いやわからん!
ここは私の師匠でもあるH先生に聞いてみよう。 ご自宅にはかなりの数のレコードを持っているそうです。 アナログ関連でわからないことは、H先生に聞けば解決します。
ということで、セールスフロアにいるH先生のところへGO!
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円盤「これって暗号ですか?サイン?H先生、教えてください!」
H先生「たぶん名前だよ、前の持ち主の」
円盤「名前ですか…なんでわざわざ直接書いてるんですか?」
H先生「昔は、PCや携帯がない時代だったから買った日付とかをこういう風にメモとして書いていた人もいたんだよねえ。 レコードをパーティーに持っていく文化もあったから、そこで自分の物とわかるように書くんだよ。 」
知らなかった…これは面白い。 たしかに私も子供の頃は、ゲームなどによく名前を書いていました。 その感覚に近いかもしれません。 これは新たな発見!
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市販のレコードが最初に発売されたのは1902年だそうです。 約120年以上も前から多くの曲が生まれ、レコードとなり、人々の手に渡っているのですね。 時を越えて素敵なレコードに出会えました。
今は文明の利器により開発されたオンラインショップの普及で、どこにいても在庫や状態まである程度調べることができます。 ただし掘り出し物は例外。 レコードショップや街で開催されるマーケットに足を運ぶと、そこでしかない掘り出しものに巡り合えるようです。
新品にはない出会い、中古レコードだからこそ味わえる面白さだと思いませんか?ここにたどり着くまでの旅路はどんなものだったのか、レコードからそんなストーリーを想像してみるのも、なんかいいですね。 中古を初めて探しにいく!という方にはこちらもおすすめです。
今回は中古レコードから過去の歴史とロマンを感じたところで、次回は現代のレコードに目を向けてみたいと思います。 では!
Words:SUKIKO.E
Photos:OHNO
Illustrator:Tatsuya Hirayama
Direction:May Mochizuki