今回伺うレコードショップはdisk union下北沢店。 通称 “ユニオン” は、筆者(50歳)の人生にも大きく関わりがあるお店のひとつだ。 20代の週末は頻繁に、池袋店と新宿店を巡回していたことを思い出す。 ただ、下北沢店は今まで1〜2回くらいしか行ったことがない。 というのも、1993年頃の私にとって下北沢エリアはキラキラしすぎていて、ハードルが高かったのだ。 レコード屋に行くにしても、オシャレ戦闘力を上げてから行く勇気と覚悟が必要。 自然と足が遠のいてしまっていた。 しかし、十年以上の時を経て訪れたその街は、カルチャー発信地の雰囲気を残しつつ、若者も行きやすい環境が整ったキレイで楽しそう、という印象に変わっていた。

駅から徒歩約4分、茶沢通りに出ると、おなじみのネオンを見つけることができる。 お店に入ると、想像を超えた広さとレコードの量に思わず圧倒されてしまう。 クラブミュージックショップも併設された下北沢店は、1日中いても飽きることがなさそうだ。

disk union下北沢店

disk union下北沢店

『下北沢には1985年に出店しました。 2013年には、クラブミュージックショップを併設し、現在の店舗形態になりましたね。 以降、音楽の街 “下北沢” でオールジャンルの音楽ソフトを販売しています。

古着街ができてから、多くの若者が訪れるようになってきました。 それに合わせて、個人で経営されているレコード屋さんも2000年代前半に増えましたね。 時代的には、レコードよりCDの方が売れていましたので、disk union全体でリニューアルをかけていた時期です。 でも、下北沢店ではレコード売り場の面積を維持したままにしてリニューアル。 レコードの街ですからね。 そして、今も昔も変わらず、ほかのdisk unionと比べて若者が多い店舗になっています。 』とスタッフの三田さんは語る。

下北沢は渋谷と同様に、海外のお客様からもレコードへの熱量を感じます。

『コロナ禍以降にヨーロッパやアメリカ、アジア圏からレコードを買いに来られるお客様が増えました。 日本の国内盤は非常に状態が良く、加えて今は円も安いのでレコードがお求めやすい状況。 さらに、都内にレコード屋が集中しているのもポイントですね。 また、disk unionのような規模の大きいレコード屋も、海外から見ると珍しいようです。 』

disk unionのような規模の大きいレコード屋も、海外から見ると珍しいよう

『初めてレコードを買われる方、初めてレコードプレーヤーを買われる方が多いのも下北沢店ならでは。 10代から60代まで、幅広い年齢層の方にご利用いただいております。 』

店員さんオススメSPOT
「ROCK、JAZZ、SOUL、JAPANESE POPSのレコード」コーナー

「ROCK、JAZZ、SOUL、JAPANESE POPSのレコード」コーナー

『専門スタッフが見定めたROCK、JAZZ、SOUL、JAPANESE POPSのレコードですね。 中古CDとともにdisk unionの中でも随一の在庫量です!新品・中古どちらもレコードの在庫量が豊富で、日本のインディーズやロックなど下北沢らしい独自のセレクトも魅力。 定期的に開催しているインストアイベントもぜひチェックしてみてください。 』

初心者でも扱いやすいレコードプレーヤーからレコードのクリーナー、保護ビニール収納用品などの周辺備品も取り揃えています

『買い取りもしていますので、鮮度の良い商品が日々入荷しています。 初心者でも扱いやすいレコードプレーヤーからレコードのクリーナー、保護ビニール収納用品などの周辺備品も取り揃えていますよ。 』

初めての方は、少し入りにくいかもしれないレコードショップ。 だが、一足歩を進めると、そこはまさしくワンダーランドだ。 今日はどんなレコードと出会えるだろう、今日はどんなアーティストを見つけられるだろう。 小さなスペースの中に、山のように敷き詰められたレコードを、時間をかけて探す行動は、ほかにはない特別な楽しみがある。
お気に入りの1枚と出会えなくても、明日もレコードショップはそこにある。

サウンドバーガーで推しの1枚を聴く

Led Zeppelin『Led ZeppelinⅢ』
Led Zeppelin『Led ZeppelinⅢ』

お店に伺う際は、レコードを挟んでどこでも聴ける「サウンドバーガー」と、その相方、ワイヤレスヘッドホン『ATH-M50xBT2』を持っていく。 おすすめのレコードを「サウンドバーガー」で聴いてもらうためだ。 三田さんに推しの1枚を教えていただいた。

『海外のオリジナル盤もあるのですが、日本盤独特の帯のデザインがいいですね。 また、70年代の書体はレコードとしての魅力をより感じさせてくれます。 レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の音って、ヘヴィな音、分厚い音が特徴のロックなので、レコードで聴くとより迫力が増します。

このⅢは、先に発売されたⅠとⅡを継承したハードな部分もありながら、自然に囲まれた場所に身を置いてアルバムを制作しています。 ですので、自分たちのルーツであるUKトラッドを意識したり、アコースティックな音が入ってきたり。 アルバムのリリース時は賛否両論あった作品でしたが、私個人としては、とても思い入れのある1枚です。 』

レコードショップの店員さんの言葉はいつも分かりやすく、ワクワク感を醸成してくれる。 早速「サウンドバーガー」で、この名盤を聴いてもらった。

固定ねじを取り外し、レコードをセット。 カバーを閉じて電源を入れてヘッドホンとペアリング。 あとは丁寧に針をレコードに落とすだけだ。 この作法がまた味わい深い。
固定ねじを取り外し、レコードをセット。 カバーを閉じて電源を入れてヘッドホンとペアリング。 あとは丁寧に針をレコードに落とすだけだ。 この作法がまた味わい深い。

『ワイヤレスとは思えない感覚で聴くことができました。 レコードをその場で、すぐに楽しめるのもいいですね。 レッド・ツェッペリンの名盤をこんな形で聴けるのは斬新でした(笑)。 大音量で聴くのも楽しいのですが、Ⅲならではの、アコースティックな部分は「サウンドバーガー」で十分に感じられましたね。 』と素敵なコメントをいただけた。

27年ものレコードショップキャリアを持つ三田さん。 レコードを聴いていただきながらお仕事中。 堂に行ったDIGに惚れ惚れする。 令和の「サウンドバーガー」は、ワイヤレスだからこういうこともできるのだ。
27年ものレコードショップキャリアを持つ三田さん。 レコードを聴いていただきながらお仕事中。 堂に行ったDIGに惚れ惚れする。 令和の「サウンドバーガー」は、ワイヤレスだからこういうこともできるのだ。
お店には「サウンドバーガー」が展示されている。 気になった人は直接お店へGO。
お店には「サウンドバーガー」が展示されている。 気になった人は直接お店へGO。

自店以外でおすすめレコードショップは?

最後に、自分のお店以外で三田さんおすすめのレコードショップを聞いた。

pianola records
『店主独自のセレクトが面白く、他ではなかなか見ない音楽に出会えるレコードショップです。 』

pianola recordsについては、こちらの記事でご紹介している。 どんなレコードショップか気になった方は、ぜひ読んでみてほしい。

「disk union下北沢店」のチーフ三田さん
「disk union下北沢店」のチーフ三田さん

久しぶりにレコードを聴きたくなった人には少しなつかしい、これからレコードを始める人にはとても新鮮。 音楽を愛する皆さまへ、「サウンドバーガー」で広がる、なつかし新しい音の世界を是非ご体感ください。

「サウンドバーガー」AT-SB727。 カラーは写真左からブラック(BK)、イエロー(YL)、ホワイト(WH)の3色
「サウンドバーガー」AT-SB727。 カラーは写真左からブラック(BK)、イエロー(YL)、ホワイト(WH)*の3色。

*ホワイトはオーディオテクニカ公式オンラインストア限定カラー。
ブラック(BK)、イエロー(YL)の詳細はこちら
ホワイト(WH)の詳細はこちら

disk union下北沢店

disk union 下北沢店

営業時間:(平日) 12:00~20:00 (土日祝) 11:00~20:00
住所:〒155-0031東京都世田谷区北沢1-40-6
小田急・京王井の頭線下北沢駅北口徒歩5分 茶沢通り沿い(タウンホール前)
TEL:03-3467-3231
E-Mail:dsk@diskunion.co.jp

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Words&Edit:Yagi The Senior
Producer:Enban Sukiko
Photos:Hinano Kimoto

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