レコードライフに欠かせない針先のクリーニング。 針が汚れているとノイズの原因になったり、レコード盤面を傷つけてしまう恐れもあるため、日々のクリーニングはとても重要です。
今回は、オーディオテクニカの針先用クリーニング用品、『AT617a』と『AT607a』の使い分けや使用時の注意点についてご紹介します。
『AT617a』と『AT607a』の違い
AT617a は、粘着物でホコリを取るクリーニング用品で、手軽に使用可能です。 再生時に針先に付着したホコリなどを簡単に除去できるため、再生前や再生後の針先クリーニングはひとつ持っておくだけでも心強いです。
さらに、AT617a 自体にホコリが溜まってきても、中性洗剤を使って表面を洗えば粘着力が復活するため、長く使える点も魅力です。
一方AT607a は、湿式のクリーニング用品で、クリーニング液と刷毛を使って針先をきれいにします。 クリーニング液にはアルコールを使用しており、酷くこびりついたような汚れも除去できます。
特に汚れが気になる時や、粘着式のAT617aでは取れないしつこい汚れがある場合に活躍します。
湿式クリーニングのときは特に注意
特に注意しておきたいのが、AT607aを使用して湿式クリーニングをする場合です。 アルコール成分が含まれると先述しましたが、このアルコールが機器に影響を与えることがあります。
クリーニング液を付けすぎると、アルコール成分が針を伝わって根本部分などに流れてしまう恐れがあります。 とりわけ使い慣れないうちは、慎重にクリーニングを行ってください。
レコードは針先が命
溝から音を読み取るという性質上、針先のコンディションは想像以上に音に影響を及ぼします。 きれいに保っておきたいという気持ちも大事ですが、度を超えるクリーニングはしないことをおすすめします。
AT617aのような針先に負担の少ないクリーニング用品で、常日頃からきれいに保っておくのがベターでしょう。
用途に応じたクリーニング用品で日々のメンテナンスを大切に、またその手間を楽しむのもレコードの魅力のひとつではないでしょうか。
Words:I・Shota