群馬県高崎市にある『珈琲あしび』。木炭焙煎の珈琲と全国の窯元からセレクトしたやきものを取り揃える「大和屋珈琲」の創業者である平湯正信さんによる、こだわりの珈琲とレコードを楽しめるお店だ。
大和屋珈琲の歴史は1980年に約7坪の小さな骨董店からスタートした。平湯さんは大手コーヒー会社での勤務経験を活かし、自分で焙煎した豆を知人の喫茶店に卸したりしていた。それが評判となり珈琲豆の専門店に業態を転換し、今では群馬県高崎市を中心にグループ40店舗を含めて全国的に展開している。

棚に並ぶコーヒー

そして『珈琲あしび』では、サイフォンで淹れたこだわりのコーヒーを飲みながらジャズとクラシックを中心に厳選されたレコードを楽しめる。古民家を改装して作られた広々とした和モダンな空間。そこに設置されたJBL社の銘機パラゴンからはクラシック音楽が流れ、ゆったりした時間と共に高貴な気分を味わえる。お店の二階にはMaclntosh 275、Mark Levinson N.38を通してElectro-Voiceの代表作 パトリシアン800も設置されており、コロナ渦以前にはジャズレコードの視聴会なども開催していた。

店内のオーディオ機器とスピーカー

「音楽は人の気持ちを和らげる効果がある」と語る平湯さん。
現在74歳の彼が音楽とオーディオに目覚めたのは十代の頃。いつかは自分の理想とする音響システムを手に入れたいと思いながら日々を過ごしていた。そして長年にわたって、その憧れであった数々のオーディオ機器とレコードを手に入れてきた。

あしびの他にも、県内に二箇所ある珈琲豆の石蔵でJBLやTANNOYのスピーカーを通して珈琲豆にジャズやクラシックを聞かせていたり、オープンに向け準備中の「榛名山麓珈琲ギャラリー」では2,500枚ほどのレコードと共にKlipshやBozak、Altecなどのスピーカーを揃えている。
平湯さんの今の願いは、後世に自分が集めた大切なコレクションを残していくこと。
こだわりのコレクションが鳴らす音に癒され、救われる人が今後もきっと現れるだろう。

珈琲あしび看板

珈琲あしび

〒370-0075
群馬県高崎市筑縄町68-7

Photos & Words by Masahiro Takai

SNS SHARE