才能は残酷だ。どんなに音楽が好きでも、楽器や歌がうまくても曲作りはまた別だったりする…が、今回は特にそんな作曲の才能はどうにもならなかった人々(筆者も含め)に紹介したいのが、「Incredibox」だ。知識を必要とせず、直感的な操作で簡単に、しかも楽しく(ここが一番重要)オリジナルミックスを制作できる。
ドラッグ&ドロップで、オリジナルミックスをつくる
2011年には存在したウェブブラウザ版を元に、2016年にアプリ「Incredibox」をリリース。現在は7,000万人ものユーザーをもつまでに成長していて、なんと世界各地の学校で、音楽教材としても使用されているこのアプリ。
子どもたちも小難しいことを抜きに楽しみながらできるオリジナルミックスの方法は、とてもシンプル。ミュージックスタイルを選んだら、あとはアプリ内のアバターにドラッグ&ドロップしていくだけ。
8つのミュージックスタイルには、ニューヨークのヒップホップにインスパイアされた、パワフルでグルービーなサウンドが特徴の「Little Miss」、サンバ、バトゥカーダ(サンバのサブスタイル)のリズムでカーニバルの雰囲気をブレンドした「Brazill」などユニークなラインナップが揃う。個人的にはフューチャリスティックなサウンドとニッポンカルチャーにインスパイアされたというビジュアルが印象的な「Alive」がオススメ。
トライするスタイルを一つ決めたら、7人のアバター(ビートボクサー)に、ヘッドフォンやサングラス、ハットなどといった「サウンドアイコン」をドラッグ&ドロップして準備完了。あとは、このアバターたちがオリジナルミックスを自動で生成していく。このサウンドアイコンには、パーカッション、エフェクト、メロディー、コーラス、ボイスなどの特徴があり、全部で20個あるこれらを自分で組み合わせていくことで、オリジナルに凝れる。
アバターのコスチュームを交換してサウンドをチェンジしたり、ミュートすることによってより独創性の高いミックスを作ることも可能だ。作成したミックスを録音できるので、SNSでシェアして楽しむユーザーも。
コピー&ペーストでアートピースが作れるいま、ドラッグ&ドロップで音楽制作も感覚的にトライ。「Incredibox」育ちの新世代ミュージシャンが登場する日もそう遠くないかも?
Eyecatch Image: Yu Takamichi(HEAPS)
All Images: www.incredibox.com © So Far So Good
Words: Jun Kobayashi