レコードはその性質上、クリーニングなどの物理的なメンテナンスが必要不可欠です。レコードやレコードプレーヤーについた汚れをそのままにしてしまうと、本来の音質が損なわれてしまう可能性があります。
そこで今回は、レコードをクリーニングする具体的な方法や、レコードの取り扱いで注意したい点を解説します。高音質でレコードを聴くための作業としてはもちろん、レコードを楽しむ過程のひとつとして、基礎知識を身につけてみてはいかがでしょうか。
メンテナンス不足は音質の低下につながる
CDなどの電子媒体と比較して、レコードは極めてアナログな媒体です。再生するときには、レコードに刻まれた溝(音溝)にプレーヤーの針を沿わせ、記録・情報を読み取ります。つまり、レコードについたホコリやプレーヤーの針の汚れなど、物理的な要因で音質が低下してしまう恐れがあるのです。
そのためレコードを高音質で楽しむためには、レコードとレコードプレーヤー、両方の定期的なクリーニングが必要不可欠です。
レコードプレーヤーのクリーニング
レコードプレーヤーのクリーニングでまず重要なのは、レコードと触れる箇所を清潔に保つことです。
まず、レコード針は「スタイラスクリーナー」と呼ばれるクリーナーを使ってクリーニングします。そして、プレーヤー本体は、繊維の細かいクリーニングクロスなどを使って、キャビネットやターンテーブルのマット(シート)の汚れを拭き取りましょう。布系の素材でクリーニングするときは、カートリッジをプロテクターでカバーしておかないと針をひっかけて折ってしまう事があるので注意が必要です。
また、トーンアームや出力端子の周りなどその他の部分も、定期的にホコリやよごれを除去しておきたいところです。
レコード盤のクリーニング
レコードのクリーニングには、ベルベット素材でできた専用のクリーナーやクロスを使うのが一般的です。レコードの溝に合わせて、円を描くように汚れを拭き取ります。
クリーニングの際には、レコードに静電気を帯電させないように注意してください。静電気によって、ホコリやチリが吸い付けられてしまう恐れがあります。対策としては、静電気を除去するマットを敷いたり、静電気を抑えるクリーニング液を使ったりするのがおすすめです。
レコード盤の保存や取扱いに関する注意点
ここからは、レコードの保存や取り扱いに関する注意点を3つご紹介します。
レコードを持つときは盤面に触れない
レコードの盤面に指や手のひらが触れてしまうと、皮脂が付着し、カビの原因になってしまいます。レコードを持つときは、端かラベルの部分のみに触れるように気をつけたいところです。万が一盤面に触れてしまった際には、クリーニングを欠かさずに行いましょう。
平積みはNG
反りや歪みにつながってしまうため、レコードを平積みするのはNGです。複数枚のレコードを保管する際には、斜めにならないように縦置きするようにしてください。枚数が多い場合には、レコードラックを使うのもおすすめです。
高温、多湿を避ける
レコードは樹脂で出来ており、高温になると変形してしまう可能性があります。直射日光は高温に加えてジャケットの日焼けにもつながるため、できるかぎり避けるようにしたいところです。
また、カビの原因となる多湿もレコードの大敵です。押入れや物置など、湿気が高くなりやすい場所に置くのは避けたほうがベターでしょう。
まとめ
業務用のクリーナーなど、今回ご紹介した以外にもレコードのクリーニングにはさまざまな道具や方法が存在します。しかし、クリーニングをする際に必ずしも高価なものを使う必要はありません。それよりも大切なのは、日々こまめにクリーニングを行い、レコードをメンテナンスしてあげることです。
今まで意識したことがなかったという方も、ぜひこの機会にお気に入りの1枚をクリーニングしてみてください。